研究課題/領域番号 |
09410091
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
日本史
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
鈴木 正幸 神戸大学, 文学部, 教授 (80107987)
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研究分担者 |
小田 康徳 大阪電気通信大学, 工学部, 教授 (50169314)
芝村 篤樹 (柴村 篤樹) 桃山学院大学, 経済学部, 教授 (10196438)
奥村 弘 神戸大学, 文学部, 助教授 (60185551)
今井 修平 神戸女子大学, 文学部, 教授 (00131540)
馬場 義弘 滋賀大学, 教育学部, 講師 (70283546)
坂江 渉 神戸大学, 文学部, 助手 (00221995)
高橋 昌明 神戸大学, 文学部, 教授 (30106760)
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研究期間 (年度) |
1997 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
8,800千円 (直接経費: 8,800千円)
1999年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
1998年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1997年度: 4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
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キーワード | 歴史資料保全活動 / 阪神淡路大震災 / 歴史意識 / 都市社会 / 兵庫津 / 市民社会 / 日本史 / 都市イメージ / 歴史資料保全 / 震災資料 / 森南地区 / 市民の歴史意識 / 月の古墳 / 兵庫県公館 / 阪神・淡路大震災記念協会 / 阪神大震災 / 歴史資料 / 文化財保存 / 震災記録 |
研究概要 |
本研究は、阪神淡路大震災が歴史学に問うた課題を考えるための基礎研究として行われた。研究は二つの方向から進められた。第一は、阪神淡路大震災後の歴史資料保全活動の展開過程について、その活動自身の史料を収集、総括することで、この活動から明確となった現代社会、とくに阪神間を中心とした都市社会の歴史意識をとらえようとするものである。第三年度には、収集した史料から保全活動を再構成するとともにその歴史的意味について議論を重ねた。また研究グループでは、活動の実態を具体的に伝えるため、個々の活動の中心となった方々にお願いして、活動の具体像について情報を収集し、これを総括し、報告書にまとめた。さらに被災史料保全活動についての全体的な統計を作成し、これを報告書に掲載した。 研究の第二の方向は、被災地の都市イメージ形成と地域の歴史的変遷との関連の追及である。この分野については、本年度は、研究グループを中心として報告討論を重ねた。その成果については、科研報告書の「第二部 被災地の歴史と歴史意識」として掲載した。 歴史研究は、その基本となる歴史資料の保全を社会そのものに求め、また形成された歴史像を次世代全体へと引き継いでいくことを求める。歴史研究を支える市民社会を形成していきながら、それを基礎として歴史研究を進めるという、独自の市民社会形成に対する実践性を持つ。このことは、今はじめてわかった問題ではない。しかしながら、阪神淡路大震災後の歴史資料保全活動のなかで、歴史像形成過程に対する市民的な合意、さらにはそれ自身への市民の参加が具体的な形で提示されたこと、そのあり方は、その地域社会の持つ歴史の中で形成された歴史意識のあり方と深く結びついていることが本研究で明確となった点は、今後の歴史学のあり方を考える上で重要な問題を提起するものである。
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