| 配分額 *注記 |
13,700千円 (直接経費: 13,700千円)
2000年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
1999年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1998年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
1997年度: 10,100千円 (直接経費: 10,100千円)
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| 研究概要 |
本研究では,水溶液中における疎水的イオン会合反応を,新規開発のイオン会合試薬を用いて平衡論的な面と速度論的な面から研究した.更に,合成・開発したイオン会合試薬を用いて,水溶液内イオン会合反応に基づく分析化学的研究を行なった.具体的には,(a)水溶液中で顕著なソルバトクロミズム発現のイオン会合試薬の合成・開発,(b)低濃度領域におけるイオン間のイオン会合反応の平衡論的解析法の確立,(c)水溶液における疎水的イオン会合反応の実験的検証,(d)疎水的イオン会合反応の平衡論的解析を基に疎水的相互作用の見積り,(e)陽イオン,陰イオンの疎水性尺度の決定と疎水性相互作用の推算法確立,(f)比較的遅い反応となる長鎖アルキル基を持つイオン間のイオン会合反応の速度論的解析,(g)新規合成試薬を用いる水溶液内イオン会合反応の分析化学的応用を行った.顕著な光吸収特性変化(ソルバトクロミズム)を示す陰イオン性試薬として,フェニルアゾ系陰イオン試薬,ジフェニルアミン系試薬,アゾフェノール系試薬及びトリフェニルメタン系試薬の類縁体を合成し,疎水性陽イオンとのイオン会合発色反応について水溶液中で検討した.また,陽イオン試薬として,トリフェニルメタン系試薬及びフェニルアゾアニリニウム系試薬の類縁体を合成し,疎水性陰イオンとのイオン会合反応について検討した.これらの試薬の吸収極大波長は,イオン会合により短波長又は長波長にシフトする.これら光吸収特性変化を利用した水溶液中での吸光光度定量法を開発し,イオン会合滴定の終点検出試薬として利用したイオン性界面活性剤の滴定法を開発した.また,本研究で開発したイオン会合反応解析法により,様々なイオン会合平衡の平衡定数を求めることができた.求めた多数のイオン会合定数の結果は,筆者の提起した新しいイオン会合性の概念が正しいことを実験的に初めて証明した.
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