配分額 *注記 |
11,400千円 (直接経費: 11,400千円)
2000年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1999年度: 2,100千円 (直接経費: 2,100千円)
1998年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
1997年度: 4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
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研究概要 |
茜草根(Rubia cordifoliaの根)より得られた抗腫瘍活性環状ヘキサペプチドRA-VIIは,たんぱく質合成を阻害するユニークな作用機序と強力な抗腫瘍活性により、抗がん剤としての開発が期待されている。臨床試験で,有効域と毒性域との接近,注射剤としての水溶性改善などの難点が指摘され,この点を克服するためにRA系化合物への化学修飾の試みを行なった。すなわち,活性を失うことなく,水溶性を高めることが期待される誘導体の調製を目的に、RA-VIIの構成アミノ酸のAla-2残基のN-アルキル化、Tyr-3残基のアミドカルボニル基修飾、Tyr-6残基のO-アルキル化の各種誘導体を調製し,そのin vitro,in vivo活性試験を検討した。また、RA-VIIの活性発現に必須である特徴的な14員環イソジチロシン部分とβ-ターンを固定した各種テトラペプチド類を縮合・環化した新規RA類の誘導体作成と活性評価を行い,活性発現部位のトポロジー解明,活性コンホメーションの解明などは,Ala-2,Tyr-3残基間のN-メチルアミド結合のトランス,シス配置の相違基づくことを明らかにした。すなわち,トランス配置の主配座異性体は活性を発現するが、シス配置の配座異性体ではほとんど活性を発現しないことを明らかにすることができた。また,活性発現部位として重要なTyr-3残基のトポロジーを決定する要素として18員環の配座構造が重要となることより、[Gly-1]RA-VII,[Gly-2]RA-VII及び[Gly-4]RA-VIIを合成した。さらに、活性発現部位の特定とそのトポロジーを解明すべく、各アラニン分子をβ-アラニンで置換した19員環構造を有する[β-Ala-1]RA-VII,[β-Ala-2]RA-VII及び[β-Ala-4]RA-VIIを合成した。これらについて、マウス白血病細胞P-388に対するMTTアッセイ法による細胞毒性を評価し、NOESY、ROESYスペクトルを用いた配座構造-活性相関研究を行った。 茜草根以外における新規生理活性ペプチド類の探索研究の結果,ナデシコ科の王不留行Vaccaria segetalis種子より,エストロゲン様活性環状ペプチドsegetalin類を単離,構造決定することができた.また,亜麻仁Linum usitatissimum種子より新規免疫抑制環状ペプチドcyclolinopeptide類を単離,構造決定することができた。その他,Stellaria属,Leonurus属植物からも環状ペプチド類を単離,構造決定することができた。
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