研究課題/領域番号 |
09J02869
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
生態・環境
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
林 良信 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究院, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2009 – 2011
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研究課題ステータス |
完了 (2011年度)
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配分額 *注記 |
2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
2011年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2010年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2009年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 真社会性 / トランスクリプトーム / ゴキブリ / 単為生殖 / 有性生殖 / 社会性昆虫 / 分業 / 不妊個体 / 遺伝子発現 |
研究概要 |
社会性昆虫では、たくさんの個体が集合して一つの生活集団(コロニー)を形成し、コロニー内には女王アリや働きアリ、兵隊アリなど、異なる役割を果たす「カースト」が存在し、分業が行われている。このカーストシステムに基づく分業が社会性昆虫の大きな特徴である。しかしながら、社会性昆虫のなかで最も巨大で複雑な社会を構築するシロアリにおいてはどのような遺伝子がそれらの分業システムの構築に関わっているのかはほとんど明らかになっていない。本年度ではヤマトシロアリにおいて、ニンフ(成長すると王・女王になる個体)とワーカーのカースト分化に関わる遺伝子を特定するため、分化前の幼若個体のトランスクリプトーム解析を行った。これまでの我々の研究により2つの型の幼形生殖虫(ニンフ・ワーカー型)の交配の組み合わせごとに異なる比率でニンフ・ワーカーに分化する仔虫が生じることが分かっているため、異なる交配組み合わせに由来する仔虫のトランスクリプトームの比較により、カースト分化に関わる遺伝子を特定することを試みた。分化前の個体は、昨年度に行った幼形生殖虫の交配実験により得られた仔虫を使用した。これらの仔虫のRNAを抽出し、次世代DNAシーケンサーHiseq2000により発現遺伝子の配列を決定した。また本年度では、シロアリと最も近縁な昆虫と考えられているゴキブリについてもHiseq2000により発現遺伝子の配列を決定した。このゴキブリの遺伝子配列と昨年度行ったシロアリ3種のEST解析によって得られた遺伝子配列を比較することによりシロアリ類の真社会性に関連する遺伝子を特定することが可能となった。今後はそれらの遺伝子を特定し機能解析を行うことによりどのような遺伝子のどのような機能変化がシロアリの真社会性の進化を生じさせたか明らかにすることが期待される。
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