研究課題/領域番号 |
10470248
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
外科学一般
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
相川 直樹 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (40110879)
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研究分担者 |
藤島 清太郎 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (00173419)
青木 克憲 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (20124927)
堀 進悟 慶應義塾大学, 医学部, 助教授 (80129650)
関根 和彦 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (90296715)
木村 裕之 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (00225054)
山崎 元靖 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (00296716)
堀口 崇 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (70245520)
篠沢 洋太郎 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (30129465)
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研究期間 (年度) |
1998 – 1999
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研究課題ステータス |
完了 (1999年度)
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配分額 *注記 |
12,800千円 (直接経費: 12,800千円)
1999年度: 5,800千円 (直接経費: 5,800千円)
1998年度: 7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
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キーワード | サイトカイン / 体温 / IL-8 / 全血培養 / 低体温 / 高体温 / TNFα / IL-6 |
研究概要 |
まず救急傷病患者を対象とした血中サイトカイン、可溶性接着分子と、感染や体温などの生態環境との関係を検討した研究では、明らかな感染と有する群では血液中のIL-6、IL-8の値が有意に高値を示した。体温と血中各種サイトカイン値との関係を検討したところ、体温はTNFα、IL-6、IL-8とのみ相関することがわかった。このうちTNFα、IL-6は個体の発熱に関与している可能性があるが、IL-8には直接発熱作用がなく、高温環境下で産生が亢進している可能性が考えられた。さらに我々は、高体温と意識障害を呈して救急搬送された患者2名の血液中サイトカインを経時的に定量した。両患者とも来院時血中IL-6、IL-8、IL-10がを高値を示し、いずれも体温の正常化とともに低下し、高体温によるサイトカイン産生誘導の可能性が示唆された。 次に重症頭部外傷に対し脳低温療法を行った患者で血中ホルモン、サイトカイン等を検討し、低体温に伴う免疫機能変化を確認できなかったが、同療法後にリン脂質関連メディエータが高値を取ることがわかった。 in vitroで末梢血細胞を種々の温度環境下培養した実験では、24時間培養により未刺激でも少量のサイトカインを産生されたが、高温環境下においても特にサイトカイン産生は増強されなかった。次にエンドトキシン刺激に対する反応性を見たところ、予想に反しIL-8産生は高温環境下でむしろ抑制された。この効果は42度では著明に認められ、培養後には赤血球破壊を示す溶血も認めた。40度下での培養では、IL-8産生が有意に抑制されたが、溶血は認められず、38度の環境下では有意に抑制されなかった。したがって、高体温患者で血中サイトカイン値が高まった原因としては、血液以外の細胞からのサイトカインまたは同産生刺激物質の放出等が考えられた。また細胞形態に関しては、異なる温度環境下で観察したが蒸気温度変化では明らかな形態の変化を認めなかった。しかし細胞内シグナル、細胞内蛋白分布等は変化している可能性があり、今後の検討事項と考えられた。その他、今後種々の体温下にある患者の血液細胞機能の解析およびin vitroでの温度による細胞機能変化の解析に備え、細胞内カルシウム、細胞表面マーカーなどの解析システムを構築し、末梢血白血病、培養系細胞MonoMac6を用いた基礎検討でも、システムの機能を確認することが出来た。
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