研究分担者 |
山野 正彦 大阪市立大学, 文学部, 教授 (20094493)
野澤 秀樹 九州大学, 大学院・文学研究科, 教授 (00036998)
竹内 啓一 駒沢大学, 文学部, 教授 (00017617)
水岡 不二雄 一橋大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (30199989)
久武 哲也 甲南大学, 文学部, 教授 (70108968)
吉原 直樹 東北大学, 文学部, 教授 (04610095)
高木 敦彦 (高木 彰彦) 九州大学, 文学部, 教授 (90197054)
|
配分額 *注記 |
10,600千円 (直接経費: 10,600千円)
2000年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
1999年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
1998年度: 4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
|
研究概要 |
本研究グループのテーマは次の4つに設定されていた。(1)地理思想、(2)地政学、(3)最近の地理学の理論的動向のキャッチアップ。(4)良質な地域研究,地域調査報告であり、こうした成果を直ちに公刊するという課題を掲げていた。本報告書は,この4つの流れを反映したものとなっている。(1)の地理思想関係については,本報告書は地理学界の中でも評価される論考が掲載されている。(2)とも密接に関連することであるが,姜論文に見られる丸山真男の思想の地政学的意味とそのナショナリズム的バイアスは,好個の地理思想のテーマであり,シュパングによるハウスホーファーの日本とのかかわりは,ほとんど我々が知りえなかった事実の発掘という意味では大きな意義を有している。村上の回想は,京都大学の地政学研究の実態をまざまざと見せ付けてくれたものでもあった。同時に東京では,こうした神がかり地政学とは全く別個の地域調査が終戦まぎわに学生の手で行われていたことも石井によって明らかにされている。兵要地誌の実態も源によって,その中身が詳細に明らかにされ,軍事的な地誌の内実が問われることになった。このような地政学的な地理思想的な研究とは別に,(3)についても,社会学から堀田,和泉が,そして太田・杉山,簡便な展望論文風の中沢の諸論考も得ている。(4)に関しては,今までほとんど触れられることのなかった,横浜の簡宿街の寿での外国人労働者の実態と,支援活動の状況,大阪の沖縄コミュニティの歴史と住宅改良闘争,大阪釜ケ崎の成立に関する緻密な調査報告などを得た。既に人文地理学界では,本研究グループの活動が,政治・社会・文化,地理学方法論,学史に与える影響は大きいと学界展望の中でも評価されるに至っていること。また他の諸学問において空間論へのまなざしが強くなっている中で,そうした潮流の先頭を走っている研究者もこの研究グループに交えて,報告書が上辞できた。
|