配分額 *注記 |
14,400千円 (直接経費: 14,400千円)
2001年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
2000年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
1999年度: 6,000千円 (直接経費: 6,000千円)
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研究概要 |
MLPアッセイ(multilineage progenitor assay)を用いた研究によって,われわれはT前駆細胞(p-T)はT細胞とミエロイド細胞をつくる前駆細胞(p-MT)からつくられることをを明らかにしていた.しかし,p-MTは造血幹細胞から直接につくられるのか,それとも何らかの中間段階を経てつくられるのかは明らかではなかった.このことは,従来用いていたMLPアッセイの検出能の限界によるものであった.本研究では,従来のミエロイド(M),B, T3系列に加えて赤血球(E)系列への分化能を検出できる実験システム(MLP-METBアッセイ)を開発した.この方法を用いることによって,従来はp-Multiとして定義されてきた初期前駆細胞は,p-METBとp-MTBに分けられた.すなわち,p-METBは幹細胞そのものであり,この方法によってin vitroで幹細胞の検出が可能になった.またp-MTBという段階は,p-MTとp-MBの共通の前駆細胞である.一連の研究によって胸腺へ移行する前の系列コミットメントのプロセスが明らかになった.さらに,胸腺内でのコミットメントも詳しく解析した.以前の研究で胸腺内の最も初期の前駆細胞はナチュラルキラー(NK)への分化能を持っておりp-T/NKと表現できることを示していたが,本研究において樹状細胞(DC)への分化能を含めて解析できる方法を確立し,p-T/NK/DCであることが示された.この最も初期の前駆細胞はCD44^+CD25^-→CD44^+CD25^+→CD44^-CD25^+と変化する間に1000倍以上に増殖し,その間にDC, NKへの分化能を順次失っていくことが明らかとなった.
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