研究概要 |
人間同士のコミュニケーションではnn,aa,hm,uh,eh,huun,などの「言葉ではない音」によって対話の流れを制御できるため,スムーズに進むことが多い。 同じく非言語的な発話の使用により、コンピュータ・インタフェースなどに応用することを本研究の目的とした。 一つめの研究成果は、日本語と英語における非言語表現の意味と音響的部品の関係を表すモデルの提案である。これを得るため 1。音響的および意味的な細かいラベルを付ける基準決め、 2。日本語と英語の会話データの30分ずつ程度の三人によるラベルを付ける作業、およびラベラー同士の相関の調べ、 3。意味と音響的な部品の関係の調べ、などをした。 二つめは、非言語表現の生成により、ユーザー・インタフェースの使い心地良さを向上することが可能であることの実証である。これを得るため、 1。家庭教師的な会話の収集分析、 2。非言語発話選択のモデル化、 3。実時間音声対話システムの開発、 4。ユーザーの印象によるその有効性の検討、を行なった。 まだ残る課題として、全ての結果の発表、韻律の役割の定量的モデル化、ハード実時間的認識アルゴリズムの開発、ユーザー・インタフェースにおけるその非言語表現の生成の有効性の検討、各アプリケーション、他言語との現象の比較、人間同士の多文化間コミュニケーションにおける非言語表現の役割および自動通訳システムにおける非言語表現の理解・生成、などがある。
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