研究課題/領域番号 |
12660175
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
水産学一般
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
田北 徹 長崎大学, 水産学部, 教授 (30039721)
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研究分担者 |
征矢野 清 長崎大学, 水産学部, 助教授 (80260735)
原 研治 長崎大学, 水産学部, 教授 (10039737)
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研究期間 (年度) |
2000 – 2001
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研究課題ステータス |
完了 (2001年度)
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配分額 *注記 |
3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
2001年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2000年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | マゴチ / ヨシノゴチ / 成長 / 成熟 / 種判別 / 初期生態 / 形態発達 / 低塩分耐性 / 初期生体 / コチ属 / 有明海 / 初期生活史 / 浸透圧調節 / DNA |
研究概要 |
マゴチは各地で種苗の生産と放流が行われているが、その放流効果は分かってなく、初期生活史解明が急務であった。しかし、マゴチは最近まで近縁種のヨシノゴチと混同され、両種の幼期についての従来の研究成果は、両種の分類学的見直しの後、根拠のないものになり、両種の区別についてさえ信頼できる報告はない状態であった。本研究は、マゴチの幼期における類似種ヨシノゴチとの区別、海域での生育環境と生態、形態発達、成長などを明らかにして、本種の効果的な増殖事業に資することを目的とした。 2年にわたる研究で、まず、有明海から両種の成魚を採集し、年齢、成長、成熟を検討し、この作業により、産卵場所を特定した。ついで、産卵期の両種の親魚からの卵を飼育して、飼育方法を確立すると共に、卵、仔稚魚の形態を明らかにした。しかし、両種仔稚魚の形態は酷以して、形態による区別が困難なことが判明したので、PRC-RFLP分析による種同定の手法を適用して両種の判別を可能にした。その成果は、日本水産学会誌67巻3号に報告した。有明海一円で、コチ属稚魚の採集を試み、その結果、熊本県海域に注ぐ河川の河口域にコチ属稚魚が分布することを突き止めた。その標本はPRC-RFLP分析により、マゴチであることを明らかにし、両種の交雑が自然でお行われている可能性を示唆した。マゴチとヨシノゴチの稚魚期における低塩分耐性は、飼育稚魚を使って生理的に比較するとともに、稚魚採集現場の塩分変化を観測した。その結果、マゴチはヨシノゴチより低塩分耐性が強いが、淡水中では浸透圧調整ができず、へい死する個体もあることが分かった。成魚期の年齢と成長および幼期の生態と優塩分耐性についても、近く"水産増殖"および"日本水産学会誌"で発表する予定である。
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