配分額 *注記 |
15,300千円 (直接経費: 15,300千円)
2003年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2002年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
2001年度: 10,700千円 (直接経費: 10,700千円)
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研究概要 |
本研究では,近年急増している高齢者の転倒による大腿骨頸部骨折の予防を目的とし,有効な骨折予防策として期待されている腰部プロテクターの設計要件を生体力学的に検討し,さらに個体別最適設計システムを構築することを目指した. まず,大腿骨頸部骨折予防用腰部プロテクターの設計要件を生体力学的に検討するため,大腿骨頸部骨折を生じるような転倒を模擬したシミュレーションを実施可能なシステムの開発を行った.これによる転倒シミュレーションを行い,転倒時に作用する荷重方向,大腿骨の形態的特徴,骨粗鬆症の進行程度が大腿骨頸部骨折発生に及ぼす影響を検討し,個体の特徴および転倒条件と骨折発生の危険性との関連性を評価した.さらにプロテクターの材質と構造の違いによる衝撃緩和効果を検討した.次に大腿骨CT画像を用いたイメージペーストモデリングに関する基礎的検討に基づき,個体別大腿骨有限要素モデル構築システムの開発を行った.本研究ではマップトメッシュ法により大腿骨有限要素モデルを簡便に生成する手法を開発した.その際,多様な大腿骨形状に対応するため,頸体角,頸部長が異なる複数のブロックモデルからなるデータベースを構築し,形状モデルに近いブロックデータを用いる方法を開発した.次に,個体別モデリング手法によって作成した大腿骨を用いた解析結果と,標本を用いた骨折実験の結果と比較した結果,骨折の発生個所と解析時応力の集中部位の場所,及び主ひずみの主方向および主ひずみは概ね一致し,解析精度が検証された. 本研究により,大腿骨頸部骨折個体別予測診断システムを開発し,個体別ヒッププロテククー設計指針を提案できた.
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