研究課題/領域番号 |
13571016
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 海外学術 |
研究分野 |
文化人類学(含民族学・民俗学)
|
研究機関 | 一橋大学 |
研究代表者 |
浜本 満 一橋大学, 大学院・社会学研究科, 教授 (40156419)
|
研究分担者 |
花渕 馨也 北海道医療大学, 看護福祉学部, 講師 (50323910)
慶田 勝彦 熊本大学, 文学部, 助教授 (10195620)
大塚 和夫 東京都立大学, 人文学部, 教授 (70142015)
|
研究期間 (年度) |
2001 – 2003
|
研究課題ステータス |
完了 (2003年度)
|
配分額 *注記 |
12,500千円 (直接経費: 12,500千円)
2003年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
2002年度: 3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2001年度: 4,600千円 (直接経費: 4,600千円)
|
キーワード | イスラム / マドラサ / モスク / 憑依 / 都市 / 布教 / インド洋 / ケニア・タンザニア・コモロ・アラブ / 布教活動 / イスラーム教育 / ケニア:タンザニア:コモロ / 東アフリカ海岸部 / イスラム・ネットワーク / ムスリムと非ムスリム / 宗教教育 / 憑依儀礼 / パトロンノクライアント / 移民 |
研究概要 |
本研究は、東アフリカ海岸地域(東アフリカ海岸部および後背地、島嶼喚部を含む)におけるイスラムの多様性を明らかにし、そこでのイスラム的知識の流通と、さまざまなイスラム像の形成の動態を明らかにすることを目的とした。研究は次の三つを中心に推進された。第一に東アフリカ海岸地域において展開されるイスラム・ネットワークについての調査を通して、イスラムの知識や言説が流通するイスラム内部のネットワークの動態を明かにする。第二に、東アフリカ海岸地域の各地におけるイスラム的知識のローカルな動態を、イスラムの中心による教義的一元化の動きと、各地域への個別的変異であるローカライゼーションとのダイナミズムとして明らかにしようとする。第三に、この地域において複雑に入り組んだ境界線を描きつつ共存している、ムスリム人口と非ムスリム近隣諸集団との日常的な関係の実態を、こうした周辺的他者による抵抗や、イスラム的慣行の部分的流用との関係をも含め、明らかにする。このようにより広いコンテクストにおけるイスラムの動態を明らかにし、新たなイスラム理解の可能性を開くことを通じて、本研究は、イスラムを単に宗教的体系としてではなく、多様なムスリムが共存し、またムスリムと非ムスリムが隣接し会うローカルなコンテクストにおける社会的・文化的現象として捉えようと試みたものである。 成果としては東アフリカ海岸部におけるイスラムの多様性とその動態がかなりの程度明らかにでき、イスラム・ネットワークの周縁部における社会成型についての一定の洞察がえられたのではないかと自負している。まだまだ研究はその端緒についたばかりであり、今後の調査研究を通じて、単にこの地域のイスラムの特殊性のみならず、より一般に、文化的・民族構成的に多様な諸社会が宗教的イディオムを通じて、相互に自己成型していく歴史的プロセスについての解明がさらに進むことを期待したい。
|