研究概要 |
北海道南部から東北地方,関東・中部地方へ至る島弧に沿う活火山から噴出した噴出物中のカンラン石斑晶を収集した.これらの火山フロントに沿って,多くのイオウ鉱山が存在して古くから自然イオウを産出した.記載岩石学的および鉱物学的観察をして,これらのカンラン石斑晶はマフィックマグマからもたらされたことが示された.一方,斜方輝石,単斜輝石,斜長石および鉄-チタン酸化物はマグマ混合システムにおけるフェルシックマグマ溜まりのフェルシッククリスタルマッシュを構成していた. カンラン石は一般に玄武岩から玄武岩質安山岩組成のイオウに富むケイ酸塩メルト包有物を捕獲している.メルト包有物のイオウの特性X線ピークのシフトを測定してイオウの結合状態を調べてその酸化状態を推定した.これらの沈み込み帯に伴うマグマは,含水量が高く酸化した条件下で大量のイオウを火山へ供給して,噴火して大量のイオウを放出した. これらの研究成果の一部は,2003年6月30-7月11日に札幌市で行われる国際会議(IUGG2003)において3つの講演によって公表される.
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