研究概要 |
かまぼこの火戻りの発現機構を解明するために,マダイ及びマエソで作成したで作成した常法かまぼこ(加熱条件:40℃120分→90℃30分の二段加熱)と火戻りかまぼこ(マダイ:60℃20時間→90℃30分の二段加熱,マエソ:60℃120分→90℃30分の二段加熱)を作成した。その物生低下に伴う微細構造を普通電子顕微鏡観察による比較,検討を行うとともに,火戻りに伴うかまぼこ組織における主要構成タンパク質の挙動を検討するために,抗ミオシン,アクチン,α-アクチニン血清を用いた金コロイド法による免疫電子顕微鏡観察を行った。また常法,火戻り両かまぼこのSDS-PAGEとイムノブロッティングも行った。物性値は,常法かまぼこと比較して火戻りかまぼこが,マダイでは押し込み試験で約1/2,引っ張り試験で約1/4,マエソでは押し込み引っ張り両試験において約1/3に低下していた。普通電子顕微鏡観察では,両魚種ともに常法かまぼこは組織が細かく均質な網状構造を呈したが,火戻りは組織構造が不均質で低電子密度の部分が多数認められた。免疫電子顕微鏡観察では,両魚種ともに,常法かまぼこタンパク質の局在を示す金コロイド粒子が雲状構造全体に多数認められたが,火戻りは金粒子の数が減少し,その分布は偏っていた。この傾向は特にミオシンで強く見られた。SDS-PAGEを用いたイムノブロッティングでは,火戻りはミオシンバンドの消失が顕著であった
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