研究課題
基盤研究(B)
メタボリックシンドロームに対する腸内細菌叢の変化を介した運動習慣の予防効果について明らかにするために、メタボリックシンドロームを発症するToll様受容体5（TLR5）遺伝子欠損マウスを用いて検討した。安静飼育で生じるこの遺伝子変異マウスのメタボリックシンドロームは自発運動習慣によって減弱され、さらに慢性炎症の抑制と腸内細菌叢の変化が示された。随意運動がメタボリックシンドロームの悪化に対して腸内細菌叢の制御を介して調節できる可能性が示唆された。
メタボリックシンドローム予防効果を検討した便移植実験例は報告されていない。しかし、運動習慣を有するドナーマウスからの便移植による、レシピエントマウスの体重抑制現象を観察した。便移植による肥満が解消されるという結果は、運動習慣による腸内細菌叢の改善効果を示唆するという点で、意義ある知見かもしれない。今後、アスリートの腸内細菌叢研究、さらにはサプリメントとして健康産業界へ参入してくる将来への可能性を予感させるものと考える。
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