慢性疼痛に対する抗うつ薬治療と認知行動療法の神経科学的修復機構の解明

• 研究課題/領域番号: 15K19730
• 研究種目: 若手研究(B)
• 配分区分: 基金
• 研究分野: 精神神経科学
• 研究機関: 広島大学
• 研究代表者: 吉野 敦雄 広島大学, 医歯薬保健学研究科(医), 特任助教 (90633727)
• 研究期間 (年度): 2015-04-01 – 2018-03-31
• 研究課題ステータス: 完了 (2017年度)
• 配分額: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円); 2017年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円); 2016年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円); 2015年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
• キーワード: 慢性疼痛 / 認知行動療法 / fMRI / 抗うつ薬治療

研究成果の概要

慢性疼痛に対して認知行動療法あるいは抗うつ薬治療を行い、それぞれの治療前後において疼痛尺度、心理社会的尺度、神経科学的評価法（fMRI）を行った。認知行動療法介入に伴う眼窩前頭前皮質の活動上昇、下頭頂小葉と中心傍小葉の活動低下などの脳内変化（Yoshino et al., 2018）、さらには慢性疼痛におけるうつ病や健常者とは異なる安静時の背外側前頭前皮質と視床の神経活動（Yoshino et al., 2017）を明らかにした。
これらの成果から、慢性疼痛の病態メカニズムや治療による神経科学的修復機構の一旦を明らかにすることができた。

研究成果

• [雑誌論文] Changes in resting-state brain networks after cognitive-behavioral therapy for chronic pain (2018)
  • 著者名/発表者名: Yoshino A.、Okamoto Y.、Okada G.、Takamura M.、Ichikawa N.、Shibasaki C.、Yokoyama S.、Doi M.、Jinnin R.、Yamashita H.、Horikoshi M.、Yamawaki S.
  • 雑誌名: Psychological Medicine 巻: 48 号: 7 ページ: 1148-1156
  • DOI: 10.1017/s0033291717002598
  • 査読あり
• [雑誌論文] Functional Alterations of Postcentral Gyrus Modulated by Angry Facial Expressions during Intraoral Tactile Stimuli in Patients with Burning Mouth Syndrome: A Functional Magnetic Resonance Imaging Study (2017)
  • 著者名/発表者名: Yoshino Atsuo、Okamoto Yasumasa、Doi Mitsuru、Okada Go、Takamura Masahiro、Ichikawa Naho、Yamawaki Shigeto
  • 雑誌名: Front Psychiatry 巻: 8 ページ: 224-224
  • DOI: 10.3389/fpsyt.2017.00224
  • 査読あり / オープンアクセス
• [雑誌論文] 身体症状症の認知行動療法 (特集 「身体症状症および関連症群」の臨床) (2017)
  • 著者名/発表者名: 吉野敦雄, 岡本泰昌, 神人蘭, 森麻子, 高垣耕企, 堀越勝, 山脇成人
  • 雑誌名: 精神科治療学 巻: 32 ページ: 1073-1079
  • NAID: 40021324847
• [雑誌論文] 慢性疼痛に対する認知行動療法の有効性 : 心理社会的考察から神経科学的考察まで (2017)
  • 著者名/発表者名: 吉野敦雄，岡本泰昌，山脇成人
  • 雑誌名: 日本運動器疼痛学会誌 巻: 9 ページ: 277-285
• [雑誌論文] 慢性疼痛に対する認知行動療法のエビデンスと将来への展望について (2017)
  • 著者名/発表者名: 吉野敦雄, 岡本 泰昌, 神人 蘭, 森 麻子, 山脇 成人
  • 雑誌名: PAIN RESEARCH 巻: 32 ページ: 260-266
  • NAID: 130007378647
• [雑誌論文] Regional brain functions in the resting state indicative of potential differences between depression and chronic pain. (2017)
  • 著者名/発表者名: Atsuo Yoshino, Yasumasa Okamoto, Mitsuru Doi, Naofumi Otsuru, Go Okada, Masahiro Takamura, Naho Ichikawa, Satoshi Yokoyama, Hidehisa Yamashita, and Shigeto Yamawaki.
  • 雑誌名: Scientific Reports 巻: in press
  • 査読あり / オープンアクセス / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] 【痛みと情動-基礎研究の最前線研究と臨床への応用-】 痛みと情動 臨床医学 慢性疼痛に対する認知行動療法と痛み情動 (2016)
  • 著者名/発表者名: 吉野 敦雄, 岡本 泰昌, 神人 蘭, 土井 充, 堀越 勝, 山脇 成人
  • 雑誌名: ペインクリニック 巻: 37 ページ: 765-773
• [雑誌論文] 悲しみは疼痛認知を増強させる 神経生理学的研究による考察(図説) (2016)
  • 著者名/発表者名: 吉野 敦雄、岡本 泰昌, 岡田 剛, 高村 真広, 山脇 成人
  • 雑誌名: 広島医学 巻: 69 ページ: 669-670
  • 査読あり
• [雑誌論文] Effectiveness of group cognitive behavioral therapy for somatoform pain disorder patients in Japan: A preliminary non-case-control study (2015)
  • 著者名/発表者名: Atsuo Yoshino, Yasumasa Okamoto, Mitsuru Doi, Masaru Horikoshi, Kyoko Oshita, Ryuji Nakamura, Naofumi Otsuru, Shinpei Yoshimura, Keisuke Tanaka, Koki Takagaki, Ran Jinnin, Hidehisa Yamashita, Masashi Kawamoto MD and Shigeto Yamawaki
  • 雑誌名: Psychiatry and Clinical Neurosciences 巻: 69 号: 12 ページ: 763-772
  • DOI: 10.1111/pcn.12330
  • 査読あり / 国際共著 / 謝辞記載あり
• [学会発表] 慢性疼痛に対する認知行動療法のエビデンスと将来への展望について (2017)
  • 著者名/発表者名: 吉野敦雄, 岡本泰昌, 山脇成人
  • 学会等名: 第39回日本疼痛学会
  • 招待講演
• [学会発表] 慢性疼痛に対する認知行動療法の治療メカニズム ‐脳からこころへ‐ (2017)
  • 著者名/発表者名: 吉野敦雄, 岡本泰昌, 山脇成人
  • 学会等名: 第9回日本線維筋痛症学会
  • 招待講演
• [学会発表] Similarities and differences of spontaneous neural activity in patients with chronic pain and depression: A resting state fMRI study (2016)
  • 著者名/発表者名: Atsuo Yoshino, Yasumasa Okamoto, Mitsuru Doi, Naofumi Otsuru, Go Okada and Shigeto Yamawaki
  • 学会等名: 16th World Congress on Pain
  • 発表場所: Yokohama
  • 国際学会
• [学会発表] 情動と行動を軸とした慢性痛治療の新しい方向性 慢性疼痛に対する認知行動療法の有効性 (2016)
  • 著者名/発表者名: 吉野敦雄
  • 学会等名: 第9回日本運動器疼痛学会
  • 発表場所: 東京
  • 招待講演
• [学会発表] 慢性疼痛の情動に関連した脳内基盤と認知行動療法の有効性 (2015)
  • 著者名/発表者名: 吉野 敦雄 岡本 泰昌 山脇 成人
  • 学会等名: 第25回日本臨床精神神経薬理学会
  • 発表場所: 京王プラザホテル（東京都新宿区）
  • 年月日: 2015-10-29
  • 招待講演
• [学会発表] 慢性疼痛に対する集団認知行動療法の治療効果について (2015)
  • 著者名/発表者名: 吉野敦雄 岡本泰昌 神人蘭 森麻子 土井充 大鶴直史 山脇成人
  • 学会等名: 第111回日本精神神経学会
  • 発表場所: 大阪国際会議場（大阪府大阪市）
  • 年月日: 2015-06-04
• [図書] Neuroimaging of Pain (2017)
  • 著者名/発表者名: Yoshino Atsuo (Co-author)：Luca Saba (Editor)
  • 出版者: Springer