研究課題/領域番号 |
16500213
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経解剖学・神経病理学
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
佐々木 惇 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (80225862)
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研究分担者 |
東海林 幹夫 岡山大学, 医歯学総合研究科, 助教授 (60171021)
横尾 英明 群馬大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (40282389)
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研究期間 (年度) |
2004 – 2005
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研究課題ステータス |
完了 (2005年度)
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配分額 *注記 |
3,600千円 (直接経費: 3,600千円)
2005年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2004年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
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キーワード | microglia / Alzheimer's disease / amyloid β protein / tau / α-synuclein / Tg2576 mouse model / Parkinson's disease / Pick's disease / APPsw mice |
研究概要 |
平成16年度〜17年度の2年間において、我々は、アルツハイマー病(Alzheimer's disease : AD)のモデル動物である2つのtransgenic(Tg)mice、1)脳にアミロイドβ蛋白(amyloid β protein:Aβ)沈着を認めるTg2576 mice(APPsw mice)と2)変異tau R406Wを有するtauを過剰発現するTg mice(TauR406W mice)において、痴呆の成り立ち、痴呆関連細胞・分子の変化とミクログリアの変化を実験的に検討した。Tau R406W miceでは、F4/80陽性のミクログリアが、大脳皮質、扁桃体、海馬において、non-TGと比較して有意に増加していることが示された。ミクログリアの増加(microgliosis)は、tauの著明な蓄積やastrocytosisと相関することが示され、扁桃体では、ミクログリアの増加とともに高度の神経細胞減少が認められた。一方、Tg2576 miceの検討では、マウスの記憶学習障害が、Aβ dimerが1ipid raftに蓄積する6ヶ月で起こること、さらにマウスの長期記憶障害は、7.75カ月から始まることが示された。これらの研究により、Tg2576 miceでは、6および7.75カ月に注意してミクログリアを検討する必要性が明らかとなった。APPswではpremature cored plaqueが生後7ヶ月から出現するが、そのplaque周囲に細胞内Aβ42を有するニューロンないしミクログリアが存在することが蛍光抗体法で示され、Aβアミロイド沈着初期からのミクログリアの関与が示唆された。次に我々は、ミクログリア活性化とαシヌクレイン(α-syn)およびtau蓄積との関連を明らかにするために、α-syn変異Tg miceと変異tau P301Lを有するtauを過剰発現するTg mice脳を病理学的に検討した。その結果、ミクログリアの活性化はα-synやtau沈着と密接に関係するが、α-synやtau自体が直接的な活性化因子となることはないことが示された。
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