担子菌のファミリー131に属する二種類のタンパク質の構造と機能の解明

• 研究課題/領域番号: 16K07687
• 研究種目: 基盤研究(C)
• 配分区分: 基金
• 応募区分: 一般
• 研究分野: 応用生物化学
• 研究機関: 東京農工大学
• 研究代表者: 殿塚 隆史 東京農工大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (50285194)
• 研究協力者: 吉田 誠 ; 五十嵐 圭日子
• 研究期間 (年度): 2016-04-01 – 2019-03-31
• 研究課題ステータス: 完了 (2018年度)
• 配分額: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円); 2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円); 2017年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円); 2016年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
• キーワード: セルロース / バイオマス / キシラン / 担子菌 / 糖質加水分解酵素 / バイオマス分解 / GH131

研究成果の概要

本研究は、担子菌Coprinopsis cinereaの糖質加水分解酵素ファミリー（GH）131に属する二種類の酵素、CcGH131AおよびCcGH131Bの機能の探索を行った。CcGH131Bの触媒残基を改変した酵素の結晶を作製した。次に、得られた結晶をさまざまな糖を含む溶液に浸した後、Ｘ線結晶構造解析を行った。その結果、セロビオースとの複合体の立体構造を決定した。また、CcGH131Aと各種糖との反応の解析をおこない、キシランに結合することを明らかにした。本研究の結果、GH131に属する酵素は広くセルロース系バイオマスに対し作用し、その機能は多様であることが示された。

研究成果の学術的意義や社会的意義

近年、化石燃料の使用に伴う地球温暖化により、気候変動が自然や社会に対して深刻な影響を起こすことが懸念されており、再生可能エネルギーに関する技術の開発が嘱望されている。本研究はセルロース系バイオマスの効率的な利用を目標とし、セルロース製剤によって発現が誘導される機能未知酵素がバイオマス分解に果たす役割の一端を示した。

研究成果

• [雑誌論文] 澱粉の酵素分解－研究の歴史的背景から最近の話題まで－ (2018)
  • 著者名/発表者名: 殿塚隆史
  • 雑誌名: 応用糖質科学 巻: 8 ページ: 267-275
• [雑誌論文] Mutagenesis-induced conformational change in domain B of a pullulan-hydrolyzing α-amylase TVA I (2018)
  • 著者名/発表者名: Tonozuka, T., Nihira, T., Mizuno, M., Nishikawa, A. and Kamitori, S.
  • 雑誌名: Amylase 巻: 2 号: 1 ページ: 1-10
  • DOI: 10.1515/amylase-2018-0001
  • 査読あり / オープンアクセス
• [雑誌論文] Crystal structure of a β-fructofuranosidase with high transfructosylation activity from Aspergillus kawachii (2017)
  • 著者名/発表者名: Nagaya, M., Kimura, M., Gozu, Y., Sato, S., Hirano, K., Tochio, T., Nishikawa, A. and Tonozuka, T.
  • 雑誌名: Bioscience Biotechnology and Biochemistry 巻: 81 号: 9 ページ: 1786-1795
  • DOI: 10.1080/09168451.2017.1353405
  • 査読あり
• [雑誌論文] Structure of the catalytic domain of α-L-arabinofuranosidase from Coprinopsis cinerea, CcAbf62A, provides insights into structure-function relationships in glycoside hydrolase family 62 (2017)
  • 著者名/発表者名: Tonozuka, T., Tanaka, Y., Okuyama, S., Miyazaki, T., Nishikawa, A. and Yoshida, M.
  • 雑誌名: Applied Biochemistry and Biotechnology 巻: 181 号: 2 ページ: 511-525
  • DOI: 10.1007/s12010-016-2227-0
  • 査読あり / 謝辞記載あり
• [雑誌論文] Crystal structure of the enzyme-product complex reveals sugar ring distortion during catalysis by family 63 inverting α-glycosidase (2016)
  • 著者名/発表者名: Miyazaki, T., Nishikawa, A. and Tonozuka, T.
  • 雑誌名: Journal of Structural Biology 巻: 196 号: 3 ページ: 479-486
  • DOI: 10.1016/j.jsb.2016.09.015
  • 査読あり / 謝辞記載あり
• [学会発表] Aspergillus niger 由来の糖転移活性を有する新規α-グルコシダーゼの結晶化 (2019)
  • 著者名/発表者名: 堤賢太、 石川涼一、 松本雄治、 安武望、 西河淳、 殿塚隆史
  • 学会等名: 量子ビームサイエンスフェスタ
• [学会発表] Expression, purification, and some properties of a GH13 enzyme from Rhodothermus marinus (2019)
  • 著者名/発表者名: Qu Pu、長屋美香、藤井義晴、西河淳、殿塚隆史
  • 学会等名: 日本農芸化学会
• [学会発表] 担子菌のGH131に属する酵素の立体構造と機能の解析 (2018)
  • 著者名/発表者名: 殿塚隆史
  • 学会等名: セルラーゼ研究会
  • 招待講演
• [学会発表] プルラン分解α-アミラーゼTVA Iの改変酵素におけるドメインBのコンフォメーション変化 (2018)
  • 著者名/発表者名: 殿塚隆史、西河淳、神鳥成弘
  • 学会等名: 日本応用糖質科学会
• [学会発表] Flavobacterium johnsoniae 由来GH31デキストラナーゼFjDex31A改変酵素の性質解析 (2018)
  • 著者名/発表者名: 堤賢太、郷津佳史、西河淳、殿塚隆史
  • 学会等名: 日本応用糖質科学会
• [学会発表] Studies of GH63 and GH31 enzymes ‐ Exploration of the properties of uncharacterized glycoside hydrolases by structural analysis (2018)
  • 著者名/発表者名: Takashi Tonozuka
  • 学会等名: Danish‐Japanese Network for Glycobiology
  • 招待講演
• [学会発表] 担子菌Coprinopsis cinerea由来CcGH131Bと各種リガンドとのＸ線結晶構造解析 (2018)
  • 著者名/発表者名: 石川涼一、吉田誠、砂川直輝、五十嵐圭日子、西河淳、殿塚隆史
  • 学会等名: 日本結晶学会
• [学会発表] 担子菌Coprinopsis cinerea由来CcGH131Bとセロビオースの複合体の立体構造解析 (2018)
  • 著者名/発表者名: 石川涼一、奥山舜朔、砂川直輝、五十嵐圭日子、西河淳、吉田誠、殿塚隆史
  • 学会等名: 量子ビームサイエンスフェスタ
• [学会発表] Aspergillus kawachii由来β-フルクトフラノシダーゼの改変による1-ケストース生産能向上と改変酵素の構造解析 (2018)
  • 著者名/発表者名: 長屋美香、平野勝紹、藤井匡、栃尾巧、西河淳、殿塚隆史
  • 学会等名: 日本農芸化学会
• [学会発表] 担子菌Coprinopsis cinerea由来α-L-アラビノフラノシダーゼCcAbf62Aの触媒ドメインのＸ線結晶構造解析 (2017)
  • 著者名/発表者名: 殿塚隆史、田中祐太郎、奥山舜朔、宮崎剛亜、西河淳、吉田誠
  • 学会等名: 日本農芸化学会
  • 発表場所: 京都女子大学（京都府京都市）
  • 年月日: 2017-03-18
• [学会発表] GH31に属するFlavobacterium johnsoniae由来デキストラナーゼの結晶化と構造解析 (2017)
  • 著者名/発表者名: 郷津佳史、石川涼一、西河淳、殿塚隆史
  • 学会等名: 2016年度量子ビームサイエンスフェスタ
  • 発表場所: つくば国際会議場（茨城県つくば市）
  • 年月日: 2017-03-14
• [学会発表] 担子菌Coprinopsis cinerea由来CcGH131Bとキシロオリゴ糖との複合体の立体構造解析 (2017)
  • 著者名/発表者名: 石川涼一、奥山舜朔、砂川直輝、五十嵐圭日子、西河淳、吉田誠、殿塚隆史
  • 学会等名: 日本応用糖質科学会
• [学会発表] Flavobacterium johnsoniae 由来GH31デキストラナーゼFjDex31Aとグルコースとの複合体の立体構造解析 (2017)
  • 著者名/発表者名: 郷津佳史、石川涼一、西河淳、殿塚隆史
  • 学会等名: 日本応用糖質科学会
• [学会発表] GH31に属するFlavobacterium johnsoniae由来デキストラナーゼ(FjDex31A)の性質解析 (2016)
  • 著者名/発表者名: 郷津佳史、石嵜雄一、石川涼一、西河淳、殿塚隆史
  • 学会等名: 日本生化学会
  • 発表場所: 仙台国際センター（宮城県仙台市）
  • 年月日: 2016-09-27
• [学会発表] Arthrobacter globiformis GH27 isomalto-dextranase and Flavobacterium johnsoniae GH31 dextranase/glucosyltransferase - Two dextran-hydrolyzing enzymes belonging to clan GH-D (2016)
  • 著者名/発表者名: Gozu, Y., Ishizaki, Y., Miyazaki, T., Ishikawa, R., Okazawa, Y., Nishikawa, A. and Tonozuka, T.
  • 学会等名: 6th Symposium on the Alpha-Amylase Family
  • 発表場所: Smolenice Castle (Smolenice, Slovakia)
  • 年月日: 2016-09-13
  • 国際学会