研究課題
基盤研究(C)
ヘッジホッグ経路は高度に保存された細胞増殖シグナルであり、その異常はヒト奇形と発癌を来す。Gorlin症候群4名の皮膚線維芽細胞より作製したiPS細胞(GS-iPSC)と正常iPS細胞(WT-iPSC)用い、SFEBq法により神経前駆細胞(GS-NPCおよびWT-NPC)を作製した。WT-NPCはWT-iPSCと比較して非常に低いGLI1発現レベルを示す一方、GS-NPCではiPSCと同様のGLI1発現レベルを示した。GS-NPCではSMO阻害剤により著明にGLI1発現が抑制された一方、WT-NPCではGLI1の発現自体が著明に亢進しており薬剤スクリーニング系としての有用性が判明した。
本研究では、世界初のGorlin症候群iPS細胞を作製し、ヘッジホッグシグナルの発生段階での特性を解明したことは大きな学術的成果といえる。特にGorlin iPS細胞を分化誘導させることで、未分化な状態から神経分化に移行した時点でヘッジホッグシグナルが最も亢進し阻害剤が効果的に働くこと、また遺伝子変異がある場合には亢進が持続して癌化に至ることが解明したことは、個体が発生から組織分化する過程でヘッジホッグ経路を始めとした多様なシグナル系が選択的に活性化されることを示した点で興味深い。本研究でGorlin症候群由来のiPS細胞はヘッジホッグシグナル異常症の疾患モデルとして有用であることが示された。
すべて 2019 2018 2017 その他
すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 5件、 オープンアクセス 4件、 謝辞記載あり 3件) 学会発表 (6件) 備考 (3件)
医学のあゆみ
巻: 268 ページ: 123-126
Journal of Human Genetics
巻: -
Human Genome Variation
巻: 6 号: 1 ページ: 16-16
10.1038/s41439-019-0047-9
Familial Cancer
巻: 16 号: 1 ページ: 131-138
10.1007/s10689-016-9924-2
American Journal of Medical Genetics A
巻: 173 号: 4 ページ: 946-952
10.1002/ajmg.a.38115
Journal of Medical Genetics
巻: - 号: 8 ページ: 579-584
10.1136/jmedgenet-2016-104490
http://www.m.chiba-u.jp/dept/pediatrics/research/group/nerve/
https://www.pediatrics-chiba-u.org/research/group_nerve.html
http://www.pediatrics-chiba-u.org/research/group_nerve.html