研究課題/領域番号 |
16K11517
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
病態科学系歯学・歯科放射線学
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研究機関 | 奥羽大学 |
研究代表者 |
加藤 靖正 奥羽大学, 歯学部, 教授 (50214408)
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研究協力者 |
前田 豊信 奥羽大学, 歯学部, 准教授 (10382756)
鈴木 厚子 奥羽大学, 歯学部, 講師 (90405986)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2017年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2016年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 酸性細胞外pH / 癌幹細胞 / 微小環境因子 / スフェア形成 / 造腫瘍性 |
研究成果の概要 |
がん組織内の細胞外pHは,しばしば酸性を示す。本研究では、この酸性細胞外pHの受容機構にTRPM5の関与を明らかにした。メラノーマや胃癌でのTRPM5高発現症例の5年生存率が低いことも示された。また、TRPM5の阻害剤であるTriphenylphosphine Oxideをマウス腹腔投与すると、B16-BL6細胞の肺転移を阻害した。一方、酸性pH馴化細胞を作成してみるとNR-S1細胞では造腫瘍性が亢進し、Lewis肺癌細胞では転移が促進した。また、酸性pH馴化細胞NR-S1細胞はグルコースの消費と乳酸の分泌が中性pHで親株より亢進していたが、酸性pHで培養することで親株レベルに戻った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで、がん細胞の性質として、グルコース代謝においては解糖系に依存したエネルギー産生が旺盛であるため、乳酸を最終代謝産物として分泌し、結果としてがん組織内の細胞外pHは低下するという結果論的な認識であったが、私たちの結果は、酸性細胞外pHが糖代謝を制御し、さらにがんの再発に関与する造腫瘍性や遠隔転移能を亢進させることが明かとなり、さらに、酸性pHeの受容機構を阻害することで、抗転移療法の臨床応用の可能性を示したことは、新たな治療概念を構築する基礎データとして意義深い。
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