研究課題
若手研究(B)
本研究で、我々は宿主遺伝子を改変しない心筋誘導センダイウイルスベクターを新たに開発し心筋誘導を行ったところ心筋作製効率は約10%と従来法の100倍に改善し、さらに拍動する心筋細胞を約10日間で作成することができた。次にマウス心筋梗塞モデルで3つの心筋誘導遺伝子をセンダイウイルスベクターでマウス心臓内に導入したところ心筋誘導効率が約1.5%に上昇した。さらに心筋誘導センダイウイルスベクターによる治療群では、無治療群と比較して、1か月後の心臓のポンプ機能が改善した。上記に示した本研究の成果を国際科学雑誌に発表した(Miyamoto et al., Cell Stem Cell 2017)。
現在全世界において心臓疾患関連死は増加の一途をたどっており、新たな治療法の開発が望まれている。近年、iPS細胞をはじめとした再生医療は様々な領域において実用化に向けた検討がなされている。心疾患の分野においてもその臨床応用が開始されているが、依然として細胞の生着率の問題や安全性の面において克服すべき課題は多い。その点において、本方法が臨床応用された場合上記のような問題点が一気に解消される可能性があり、学術的および社会的な意義は高いと考える。
すべて 2018 2017 2016
すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 1件) 図書 (1件)
Cell Stem Cell.
巻: 4 号: 1 ページ: 91-103
10.1016/j.stem.2017.11.010