研究課題
若手研究(B)
Ⅱ型肺胞上皮細胞は正常な肺機能を維持するのに重要な肺サーファクタントを産生する役割を持つが、脂質代謝の変化が肺線維症および肺気腫にもたらす影響についてはほとんど知られていない。我々は肺の脂肪酸組成を制御するElovl6酵素に着目し、Elovl6欠損マウスを用いて肺線維症および肺気腫モデルマウスを作製した。その結果、肺における脂肪酸組成の変化により細胞死や分化度およびリン脂質合成酵素LPCAT1, LPCAT4の発現が著明に変化し、肺の病態形成に深く関与することが明らかとなった。よって、Elovl6が肺線維症および肺気腫に対する新たな治療標的となる可能性が示唆された。
本研究結果により、Ⅱ型肺胞上皮細胞における脂質代謝の変化が肺線維症および肺気腫の病態形成に関与することが見い出せた。また、食事中の脂肪酸の組成やバランス、糖尿病などの疾患に伴う体内の脂肪酸組成の変化が病態の発症および進展に関わる可能性が示唆された。Elovl6酵素の発現や活性変化に伴う脂肪酸組成の変化が病態形成に重要であることから、今後は、生活習慣と肺疾患発症との因果関係の解明や、Elovl6の発現や活性を制御する食事成分、薬剤の解明などを行うことで肺疾患予防・治療への効果が期待でき、その波及効果は大きいと考えられる。
すべて 2019 2018 2017 2016 その他
すべて 雑誌論文 (13件) (うち国際共著 2件、 査読あり 13件、 オープンアクセス 13件、 謝辞記載あり 3件) 学会発表 (39件) (うち国際学会 7件) 図書 (1件) 備考 (3件)
BMC Pulmonary Medicine
巻: 19 号: 1 ページ: 70-70
10.1186/s12890-019-0821-y
BMC Physiol.
巻: 19(1) 号: 1 ページ: 1-10
10.1186/s12899-019-0038-6
Sci Rep
巻: 8(1) 号: 1 ページ: 16451-16451
10.1038/s41598-018-34902-w
Physiol Rep
巻: 6(19) 号: 19 ページ: e13884-e13884
10.14814/phy2.13884
巻: 8(1) 号: 1 ページ: 12035-12035
10.1038/s41598-018-30616-1
Cardiovasc Res.
巻: - 号: 8 ページ: 1132-1144
10.1093/cvr/cvy063
European Heart Journal: Acute Cardiovascular Care
巻: 印刷中 号: 6 ページ: 561-569
10.1177/2048872616683635
Journal of the American Heart Association
巻: 6 号: 10
10.1161/jaha.117.006885
Metabolism, clinical and experimental.
巻: - ページ: 47-57
10.1016/j.metabol.2017.09.003
Clinical Biochemistry
巻: 50 号: 16-17 ページ: 896-902
10.1016/j.clinbiochem.2017.05.021
J Am Heart Assoc.
巻: 5 号: 12
10.1161/jaha.116.004014
Atherosclerosis
巻: 29 ページ: 102-110
10.1016/j.atherosclerosis.2016.08.010
Am Heart J.
巻: 179 ページ: 29-41
10.1016/j.ahj.2016.05.018
http://gunma-u-med2.jp
http://heart.health.gunma-u.ac.jp