研究課題/領域番号 |
16K19756
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
精神神経科学
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
廣澤 徹 金沢大学, 附属病院, 助教 (80645127)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2017年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2016年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 自閉スペクトラム症 / Magnetic mismatch field / Empathy quotients / 脳磁図 / オキシトシン / Auditory mismatch field / Empathy quotient / 自閉スペクトラム障害 / 脳・神経 / 自閉症スペクトラム障害 |
研究成果の概要 |
自閉症スペクトラム障害(ASD)は社会性の障害を主とする発達障害である。共感とは他者と内面を分かち合う事であるが、ASDでは共感性に欠ける。Mismatch field(MMF)は話者が聞き手の注意を促すために発する声に対する脳の反応を脳磁図で計測したものであり社会性の指標となる。我々は今回10名のASD者にオキシトシン(OT)を8-10週間にわたり、MMFの変化を測定するとともに質問紙法(EQ)により行動面から共感性の変化を評価した。結果、OT長期投与中にはMMFの振幅の変化と、EQのスコアの変化に有意な正の相関が認められた。一方、長期投与終了後の評価にはこのような関係は認められなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
オキシトシン長期投与によるASDの社会性の障害に対する治療効果は実証できなかった。一方、我々の結果は、社会的な刺激(話者が聞き手の注意を促すために発する声)により誘導されるMMFが、男性成人のASD者において共感性の神経生理的かつState dependentな指標になりうることを示す事ができた。今回はOTの社会性の障害の治療としての効果量が想定より小さく、予定した被験者数では有意な効果を示す事が出来なかったが、より大きなサンプルサイズで臨床試験を行う際の、社会性の改善の生理的な指標として、MMFが有用となる可能性を示す事ができた。
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