研究課題
基盤研究(C)
ラジオ波凝固療法は、肺悪性腫瘍の低侵襲的局所治療として近年臨床に応用されだし、高い成果が期待されている。本研究は、さらにその成果を向上させる、すなわち焼灼領域を拡大させるための基礎的研究であり、ブタ肺を焼灼することによって行った。同じエネルギーを用いて焼灼領域を拡大させるためには、エネルギーを伝播しやすくすることが必要であり、そのため肺空気内に生理食塩水を注入して焼灼する実験をまず行った(第一の実験)。さらに、血流を一時的に遮断することにより、血流の焼灼に対する冷却効果を阻害し、結果として焼灼域の拡大を図ることが可能であるかを実験的に確認した(第二の実験)。焼灼にはLeVeen電極針(Radiotherapeutics)とジェネレーター(RF2000 or 3000;Radiotherapeutics)を使用し、展開径は2cmとした。第一の実験において焼灼は生理食塩水3mlを注入して焼灼する群と注入せずに焼灼する群の2群に分けてアルゴリズムを同一にして焼灼を行った。焼灼を終了後、両肺を摘出し、焼灼部の容積を測定し、さらに顕微鏡的に焼灼範囲の組織学的変化、焼灼範囲内の細胞の凝固壊死の程度など評価した。その結果生理食塩水の注入により約2倍の焼灼容積が得られ、焼灼も均一となることがわかった。第二の実験においては、一時的血流遮断の方法として一時的塞栓物質であるDegradable starch microspheres(以下DSM)を肺動脈内に注入した。焼灼は、肺動脈塞栓を行わずに焼灼する群と肺動脈を塞栓して焼灼する2群に分けて行った。その結果、動脈塞栓を行った群は塞栓を行わなかった群に比して焼灼容積が約2倍となった。肺動脈塞栓前後SaO_2の有意な低下はなく、塞栓領域肺には組織学的に損傷は認めなかった。以上より一時的肺動脈塞栓は凝固壊死容積を安全に有意に拡大することが実験的に証明された。
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