研究課題/領域番号 |
17K03401
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
社会法学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
中川 晶比兒 北海道大学, 法学研究科, 教授 (20378516)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2018年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2017年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 協調的行動 / 水平合併 / tacit collusion / 非対称費用 / マーベリック / 合併 / 協調効果 / 積極主義 / 消極主義 / 対称性 / 繰り返しゲーム理論 / 並行行為 / 合併規制 / プライスリーダーシップ / 事後検証 / 社会法学 / 独占禁止法 / ゲーム理論 / 協調的寡占 / グローバル戦略 / プライスリーダー |
研究成果の概要 |
本研究は、独占禁止法による企業結合規制において、①競争制限的な横並び行動と適法な横並び行動を識別できるかを検討し、②協調的行動が懸念される状況を客観的な指標で特定できる基準を構築した。①については、横並び行動が観察されたことだけでは、競争制限的な協調的行動なのか適法な同質的行動なのかを識別できないとの結論に至り、横並び行動に基づいて協調的行動の予測を行うことは慎重になるべきであって、少なくとも他の証拠による補強が必要であるという結論を得た。②については、協調的行動による競争の実質的制限の予測で最も焦点を当てるべき客観的指標は、首位企業を中心とする企業間の費用格差であることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
企業数が少ない市場での競争企業間の横並び価格は、競争制限的な行為だと受け止められやすい。しかし本研究は、横並び価格は競争の結果としても生じうるため、このような事実だけで安易に法的な介入を行うべきでないことを示した。企業結合後に残った企業が協調的に値上げするのではないかという懸念は、企業結合を独占禁止法が規制する一つの理由になっているが、規制基準が曖昧であることが長年の課題となっていた。本研究は、規制基準の中でも、企業間の費用格差が最も重要であることを複数のモデルで確認し、優先的に規制すべき状況を明確化した。
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