研究課題
基盤研究(C)
我々はこれまで、放射線治療により誘導される抗腫瘍免疫が、がん治療における重要な役割を担っていることを明らかにしてきた。本研究では、抗腫瘍免疫を積極的に利用して治療効果を増強する、“免疫放射線療法”を開発するための検討を行った。子宮頸癌放射線治療患者の治療前生検組織の免疫染色により、腫瘍組織に浸潤するCD3+リンパ球、CD8+リンパ球の多寡が予後と相関することを見出した。一方で、試料由来のDNAを用いて、409癌関連遺伝子のターゲットシーケンスにより変異遺伝子を同定した。FGFRなどレセプターキナーゼ遺伝子の変異を有する症例では治療反応性、予後共に不良であることを新規に見出した。
子宮頸癌放射線治療においても抗腫瘍免疫が予後に関与することを明らかにした。一方、日本人コホートを対象とした子宮頸癌の網羅的遺伝子変異解析を初めて行い、PIK3CAやFBXW7、ARID1Aの変異が高頻度に認められた。このことは、癌ゲノム解析による個別化医療時代における重要な参照情報となる。さらに、FGFRなどレセプターキナーゼ遺伝子の変異を有する症例では、治療反応性、予後共に不良であることを新規に見出した。子宮頸癌は抗がん剤に対する奏効率が低く、一方で、レセプターキナーゼ遺伝子に対する分子標的薬剤は既に他がんで臨床応用されているために、医師主導治験などでで速やかに臨床導入出来る可能性がある。
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Journal of Radiation Research
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