研究課題
若手研究(B)
本研究では、直線磁化プラズマ乱流実験において、乱流(ドリフト波タイプ)と流れ(帯状流)に加えて乱流よりも寿命が長く、周方向及び径方向にローカルな構造である“孤立渦”による3体系のダイナミクスを解明した。流れが、乱流の基本モードとその高調波の位相関係を変調することで、孤立渦の生成・消滅を引き起こすことを明らかにした。加えて、孤立渦形成と同期して、孤立渦よりも寿命が短く、波数が大きいコヒーレント構造が4次的に形成されることを発見した。孤立渦とコヒーレント構造の粒子輸送は同程度であり、孤立渦に加えてコヒーレント構造も輸送に大きく関わっていることを示した。
本研究成果による、孤立渦形成機構の解明により、これまで考えられてきた乱流と流れの2体系の乱流物理理論を、孤立渦を加えた3体系に拡張する指標ができた。加えて、孤立渦に伴うコヒーレント構造の観測とこれらの輸送の評価により、4次的効果を含めた多体の乱流物理の重要性を示した。本研究成果を基礎として、核融合プラズマにおいても、閉じ込め改善・新しい制御手法の開発ができる可能性がある。加えて物理的共通点が知られている惑星流体等、中性乱流理論への寄与も期待できる。
すべて 2020 2019 2018 2017
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)
IEEJ Transactions on Electrical and Electronic Engineering
巻: 14 号: 10 ページ: 1450-1454
10.1002/tee.22962
Physics of Plasma
巻: 印刷中