研究課題
若手研究(B)
本研究では、日本の飼養環境下において、牛白血病ウイルス(BLV)の感染源となる牛のプロウイルス量を明確にした。500 copies/50 ng of genomic DNA以下の牛は、BLVの感染源とならない低リスク牛であり、500 copies/50 ng以上の牛が、感染源となる高リスク牛であることが明らかとなった。そこで、宮崎県のA地域において、500 copies/50 ng以上の牛のみを農場から移動する牛白血病対策法をとったところ、この地域の感染率を4.9%から0.48%にまで低減することに成功した。本研究の結果、プロウイルス量に基づいた牛白血病対策の有効性が実証された。
牛白血病は2017年に最も報告数が多かった家畜の監視伝染病である。国内の牛の35%が感染しており、対策法の確立が求められている。従来の牛白血病対策は、全ての感染牛を隔離や淘汰する方法だった。これでは、経済的負担や労働負担が大きい。本研究の結果、感染牛であってもプロウイルス量が少ない低リスク牛は、感染源とならないことが明らかとなった。つまり、全ての感染牛ではなく、高リスク牛のみを対象とした対策で十分である。今後はこの知見を応用し、地域や県単位での牛白血病対策を進めていく。
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