研究課題/領域番号 |
17K15383
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
獣医学
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研究機関 | 日本獣医生命科学大学 |
研究代表者 |
小林 正典 日本獣医生命科学大学, 獣医学部, 講師 (80600428)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2017年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 犬 / 前立腺癌 / 分子標的治療 / MAPK / MAPK/ERK |
研究成果の概要 |
本研究の目的は、MAPK/ERKシグナル伝達経路の遮断が、BRAF V450E変異を有する犬前立腺癌に対して抗腫瘍効果を発揮しうるか明らかにすることである。RAF、MEKおよびERKの選択的阻害は、in vitroにおいて犬前立腺癌細胞の増殖を抑制した。さらに、RAFおよびMEK阻害剤はin vivoにおいて、重大な副作用を起こすことなく腫瘍の増大抑制または縮小効果をもたらした。この結果は、BRAF変異が犬前立腺癌細胞の増殖や生存に関わるドライバー変異であることを示唆するものであり、MAPK/ERKシグナル伝達経路の遮断は、犬前立腺癌の新たな分子標的治療法として有用であると考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
犬前立腺癌は悪性腫瘍であり早期に局所浸潤や遠隔転移を引き起こすが、著効を示す治療法が確立されていない。本研究では、BRAF変異を有する犬前立腺癌に対するMAPK/ERKシグナル伝達経路の遮断によって腫瘍の増殖を抑制することが明らかにし、犬前立腺癌の新たな全身治療法の可能性が提示できたものと考えられる。犬前立腺癌のみならず獣医領域において同様のBRAF変異を持つ移行上皮癌などの他の腫瘍に対して、また前立腺癌が自然発症するヒトに対しても有益な情報をもたらすことができるだろう。
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