研究課題
若手研究(B)
シヌクレインフィブリルの高発現時に、エクソソームにおいて増加するタンパク質の解析を行い小胞体関連蛋白質Aが同定された。蛋白質Aを過剰発現すると、αSynのエクソソームを介した細胞外への放出が増加した。また、免疫沈降ではαSynと蛋白質Aが直接結合することを示した。興味深いことに、蛋白質Aを過剰発現した状態でαSyn自体も過剰発現すると、細胞内にαSyn陽性の封入体が確認された。αSynの病的変異のフィブリル過剰発現時、モノマー過剰発現時にさらに蛋白質Aの共発現でエクソソーム中のαSynの量を比較するとG51D変異という変異は、蛋白質Aによるエクソソームへの包埋が非常に強く誘引することを示した。
本研究では、αシヌクレインというパーキンソン病の発病原因の最も中核にある分子の一つが、どのように細胞から細胞に伝播していくか、その様式の一助を明らかにした。蛋白質Aの増加がパーキンソン病患者において特異的に、または加齢に伴い非特異的に、増加している場合、蛋白質Aの発現を押さえる治療がパーキンソン病の進展を予防する効果が期待できる。
すべて 2019
すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)
Sci Rep
巻: 9 号: 1 ページ: 6001-6001
10.1038/s41598-019-42399-0