研究課題
若手研究(B)
本研究の成果は次の三つである。(1)20種類の非ヒト霊長類脳標本から高解像度の脳構造画像を撮像し、霊長類脳画像リポジトリの開発・公開を行った。(2)マーモセット、チンパンジー、ヒトを対象に大脳半球を結ぶ最の神経束である脳梁に着目して、養育や社会性に関わる脳領域の発達様式における相同性・相異性を見出した。(3)ヒト脳で開発された最先端の画像変形アルゴリズム (LDDMM)を展開することで、脳領域の進化的変化を包括的に定量画像分析を可能とする計算技術を開発した。これにより、霊長類における脳システムの相同性と特異性を見出し、ヒト特異的な脳回路の進化的起源を解明につながることが期待できる。
本研究では、ヒト脳で開発された最先端の画像変形アルゴリズムを霊長類脳にも展開することで、脳構造の進化的変化を高精度に検出する計算技術を開発した。さらに、9.4テスラ高磁場MRIにより、20種の霊長類脳の脳構造画像と拡散強調画像のデータベースを開発し、広く供した。このように計算解剖学で醸造された最先端技術の射程を、人類進化学や脳科学にまで拡大することは、学際的見地からみても新規であり、ヒトの認知機能の進化基盤を推測するうえでも重要であることから、非常に特色のある研究となった。さらに、霊長類モデルを用いた精神・神経疾患の前臨床研究への応用にも貢献できることから、大きな波及効果をもたらすと考える。
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