研究課題
基盤研究(C)
本研究では、顎裂部骨移植への再生医療の導入とその矯正学的評価系の確立を目指し、歯の萌出誘導が可能な再生骨を顎裂部に形成するための基礎的検討として、骨分化性能を向上させる目的で、胎性幹細胞(ES細胞)の分化多能性維持に必須の因子であるNanog遺伝子を間葉系細胞へ導入し、効率的な骨形成が可能であるかを検討した。まず、骨髄由来間葉系細胞および各種株化培養細胞でのNanog発現調節の検討とその骨分化能に対する影響を検討するために、ヒト骨髄由来間葉系細胞あるいはマウス未分化間葉系幹細胞株C3H10T1/2、マウス前骨芽細胞株MC3T3-E1に対してBMP-2による骨分化誘導を行い、Nanog遺伝子の発現レベルの変化をPCRで経時的に解析したところ、分化誘導の有無に関わらず、これらの細胞においては、遺伝子レベルでのNanogの発現は検出出来なかった。そこで骨・軟骨分化とNanogとの関連を検討するため、レトロウイルスベクターを用いてNanogを安定発現する細胞株の作成を行い、マウス未分化間葉系幹細胞株C3H10T1/2を親株としたセルラインを複数樹立した。それらのセルラインを用いてその分化能を検討したところ、Nanogは骨分化誘導系において、その初期分化にはあまり影響を与えず、オステオカルシンに代表される後期分化を促進していた。次に、そのメカニズムを解析する目的で、BMPシグナルの下流にあるSmad1,5,8のリン酸化ならびにES細胞の自己複製に重要なSTAT3のリン酸化をウエスタンブロットで比較検討したところ、Nanog導入群ではSmad1,5,8のリン酸化が長時間継続していた。また、逆にSTAT3のリン酸化はNanog導入群で弱い傾向があった。これらの結果から、細胞内にNanogを恒常発現させることで、骨芽細胞への最終分化を促進可能であることが明らかとなった。(790字)
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