Hippo経路エフェクターYAP/TAZの方向性を規定するシグナルの検索と解析

• 研究課題/領域番号: 18K06232
• 研究種目: 基盤研究(C)
• 配分区分: 基金
• 応募区分: 一般
• 審査区分: 小区分44010:細胞生物学関連
• 研究機関: 産業医科大学
• 研究代表者: 日笠 弘基 産業医科大学, 医学部, 准教授 (40596839)
• 研究期間 (年度): 2018-04-01 – 2021-03-31
• 研究課題ステータス: 完了 (2020年度)
• 配分額: 4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円); 2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円); 2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円); 2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
• キーワード: Hippo経路 / YAP/TAZの制御機構 / 恒常性の破綻 / 炎症性シグナル / Hippo経路エフェクター / YAP/TAZ制御因子 / 生体恒常性の破綻 / Wnt経路 / スクリーニングシステムの開発 / YAP/TAZ制御因子の同定 / 作用点の解析

研究成果の概要

Hippo経路エフェクターYAP/TAZの活性は生体恒常性の維持のため生体内で厳密にコントロールされており、腫瘍化及び組織再生の双方に関連する。我々は『多くのヒト疾患の原因となる生体恒常性破綻の端緒・過程とはどの様なものか』という問いの手がかりを得るため、YAP/TAZの制御機構に関わる因子の網羅的検索及び解析を行なった。その結果、種々のシグナル経路・因子がYAP/TAZの活性制御に関与することを見出した。さらに、それらの因子の１つが線維化・発がんシグナルであるWnt/β-カテニン経路の制御にも密接に関わるという新知見も得られ、さらに研究の発展につながった。

研究成果の学術的意義や社会的意義

YAP/TAZはヒトの多様ながんにおいて機能亢進や過剰発現が確認されおり、腫瘍化や悪性化の原因となっている。だが一方で、YAP/TAZは損傷した組織の修復にも必要であり、人為的にYAP/TAZを損傷組織に活性化させるとより再生が改善され、iPS細胞の誘導にも寄与することがわかっている。本研究により同定されたYAP/TAZ活性化因子はiPS細胞誘導の最適化や、損傷組織の再生医療薬の開発への貢献が期待でき、YAP/TAZ抑制因子は抗がん剤開発の糸口になる可能性がある。

研究成果

• [国際共同研究] Icahn School of Medicine at Mount Sinai(米国)
• [国際共同研究] Icahn School of Medicine at Mount Sinai(米国)
• [雑誌論文] Endogenous YAP1 activation drives immediate onset of cervical carcinoma in situ in mice. (2020)
  • 著者名/発表者名: Miki Nishio , Yoko To , Tomohiko Maehama , Yukari Aono , Junji Otani , Hiroki Hikasa , Akihiro Kitagawa , Koshi Mimori , Takehiko Sasaki , Hiroshi Nishina , Shinya Toyokuni , John P Lydon , Kazuwa Nakao , Tak Wah Mak , Tohru Kiyono , Hidetaka Katabuchi , Hironori Tashiro , Akira Suzuki
  • 雑誌名: Cancer science 巻: 111 号: 10 ページ: 3576-3578
  • DOI: 10.1111/cas.14581
  • NAID: 120006892076
  • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
• [雑誌論文] YAP1 is a potent driver of the onset and progression of oral squamous cell carcinoma (2020)
  • 著者名/発表者名: Omori Hirofumi、Nishio Miki、Masuda Muneyuki、Miyachi Yosuke、Ueda Fumihito、Nakano Takafumi、Sato Kuniaki、Mimori Koshi、Taguchi Kenichi、Hikasa Hiroki、Nishina Hiroshi、Tashiro Hironori、Kiyono Tohru、Mak Tak Wah、Nakao Kazuwa、Nakagawa Takashi、Maehama Tomohiko、Suzuki Akira
  • 雑誌名: Science Advances 巻: 6 号: 12 ページ: 3324-3324
  • DOI: 10.1126/sciadv.aay3324
  • NAID: 120006818745
  • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
• [学会発表] Toll様受容体/IL-1受容体経路構成因子IRAK1はPPPSPモチーフによるAxin1との相互作用を介してWnt/β-cateninシグナル経路を活性化する (2020)
  • 著者名/発表者名: 三村 恭弘, 乾 雅, 平良 眞規, 大坪 孝平, 日笠 弘基
  • 学会等名: 第４３回日本分子生物学会
• [学会発表] Toll様受容体/IL-1受容体経路構成因子であるヒトIRAK1はWnt/β-カテニン経路を活性化する (2019)
  • 著者名/発表者名: 三村恭弘、乾雅子、山元 孝佳、大坪 孝平、平良 眞規、日笠 弘基
  • 学会等名: 第42回日本分子生物学会
• [学会発表] Hippo経路エフェクターYAP/TAZを制御する因子の同定 (2018)
  • 著者名/発表者名: 日笠弘基
  • 学会等名: 分子生物学会
• [備考] 産業医科大学医学部生化学講座
  • URL: https://www.uoeh-u.ac.jp/medicine/seika.html
• [備考] 産業医科大学医学部生化学講座
  • URL: https://www.uoeh-u.ac.jp/University/dept/medicine/seika.html
• [備考] 産業医科大学 生化学講座
  • URL: https://www.uoeh-u.ac.jp/University/dept/medicine/seika.html
• [産業財産権] Wnt/β-カテニン経路の活性化亢進作用を有するタンパク質 (2019)
  • 発明者名: 日笠弘基 三村恭弘 乾雅子
  • 権利者名: 日笠弘基 三村恭弘 乾雅子
  • 産業財産権種類: 特許
  • 産業財産権番号: 2019-207336
  • 出願年月日: 2019