研究課題/領域番号 |
18K11792
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分80010:地域研究関連
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研究機関 | 立教大学 |
研究代表者 |
鈴木 弥生 立教大学, コミュニティ福祉学部, 教授 (80289751)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 移民労働者 / ニューヨーク市 / アメリカ合衆国 / 移民第二世代 / 南アジア / バングラデシュ / イスラーム / 第一世代 / 第二世代 / 女性 / 貧困 / ニューヨーク |
研究実績の概要 |
ニューヨーク市に移住した移民労働者の中には、バングラデシュの大学を卒業して政府役人や専門職に就いていた人もみられるものの、移住後は、時間労働や季節労働の雇用形態で働いて生活を維持してきた。だが、2020年3月の非常事態宣言、それに続くロックダウンの影響により、帰国可能な人々は帰国の途を選択している。これら一時帰国した人々が、2022年以降、ニューヨーク市での生活を再開していることが電子メールでの連絡を通して明らかになった。バングラデシュ出身の移民労働者の大多数は、緊急時に出身国で身を寄せることの出来る家族や親戚があり、それらの世帯では家屋や屋敷地を所有している。 海外研究者との交流については、ニューヨーク市在住のアリ・シャイド(ロングアイランド大学教授)と連携して情報や資料を収集している。ここでの研究を発展させる形で、シャイドを海外共同研究者として国際共同研究強化(B)採択となっている。その中で、ジェームズ・マンディバーグ(ニューヨーク市立大学ハンター校准教授)を講師として研究会「A Study of Structural Inequality in the USA and New York City」を開催した(対面)。 また、立教大学社会学部講演会、ヴラディミル・ダグラス・パチェコ・クゥエヴァ(同上招聘研究員、オーフス大学准教授)による「Displacement, Trauma and Identity: A Migrant's Journey from Fear to Resilience」に参加した(対面)。これに続いて、研究協力者(同上国際共同研究)イーリャ・ムスリンと担当している「Local People’s Perspectives in Social Development 」(Zoom)に招待して、南米からアメリカに移動しようとする人々・家族・コミュニティの背景、移民第二世代が抱えるトラウマやそれを乗り越えてきた道筋について伺っている。さらに、昨年度に続いて、ビアオ・シャン(マックス・プランク社会人類学研究所ディレクター)を同上Zoom授業に2度招待している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
上述したように、海外研究者との交流は活発になされるようになったものの、新型コロナウィルスの影響からニューヨーク市等において現地調査を行うことができなかったことによる。とりわけ、移民第二世代への影響について把握するには限界があった。
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今後の研究の推進方策 |
現地の治安状況をみて、ニューヨーク市での調査および先行研究と資料の収集を再開する。具体的には、ニューヨーク市で生活するバングラデシュ出身の移民労働者と移民第二世代双方から聞き取り調査を行う予定である。そこで、新型コロナウィルスによる感染拡大がニューヨーク市の移民労働者及び移民第二世代に及ぼしてきた甚大な影響を見逃すことが出来ない。また、現地での治安悪化に伴い、申請時点での協力研究者のほか、ニューヨーク市在住の研究者等の協力を得て調査を実施する必要がある。なお、バングラデシュ出身者からの聞き取り調査に関しては、国際共同研究強化(B)と重複するところがある。 ニューヨーク市での治安等から現地調査が難しい場合の代替案については、①海外在住の研究者の協力を得て、最新機器を活用して「アンケート調査やZoom 面接」を行う予定である。② バングラデシュ出身者が移住しているフィンランドやタリン(2019年3月、事前調査済み)等での調査、あるいはノルウエーのモスクや周辺のコミュニティでの実態調査を行う(オスロ市内に関しては、2019年9月事前調査済み)。また、交付申請書でも述べたが「国際労働移動は二国間の孤立した現象ではなく、グローバルな労働の流れの一環として位置づけられる」(森田桐郎編著『国際労働移動と外国人労働者』同文館、1994年、25頁)という認識から、可能であれば、バングラデシュ以外の出身国・地域にも焦点をあて、先行研究や資料の収集、実態調査を行う。何れの場合も、各国・地域での治安が懸念される場合には、適宜調査日程を変更する。③ オーフス大学、マックス・プランク社会人類学研究所、カタール大学のうち、日程調整も含めて先方の了解が得られる機関を訪問して国際共同研究に関する打合せを行う。それと同時に、移民第ニ世代の現状と課題について、聞き取り調査を行ったり専門的な助言を受けたりする。
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