研究課題/領域番号 |
18K12550
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分03050:考古学関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
長屋 憲慶 早稲田大学, 総合研究機構, その他(招聘研究員) (60647098)
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研究期間 (年度) |
2018-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 石器研究 / 実験考古学 / 石器製作技術 / フリント製両面加工ナイフ / エジプト先王朝時代 / 石器制作技術 / 複製実験 / 西アジア先土器新石器時代 |
研究成果の概要 |
本研究では、新石器時代後期に西アジアで発生し初期国家形成期のエジプトで威信財(稀少石器)として独自の技術的変容を遂げたフリント製両面加工ナイフについて、その製作技術および特にエジプトでの発達過程を検証した。 まず、初期国家形成期のエジプトで発展した波状剥取ナイフの複製実験を通して製作技術の特徴を明らかにし、同期にこれが普及する背景について論じた。また、当該期の代表的な遺跡であるヒエラコンポリスにおけるこれらの石器の生産から副葬までの流れを考察した。最後に西アジアについては、新石器時代の乾燥域(南レヴァント)の石器群の特徴についてまとめた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
威信財としての石器の製作技術を実験考古学的に検討することは、国家や権力の形成といった社会のソフトの部分について、従来の考古資料の研究とは別角度から解釈の可能性を求める一助となると考える。また、波状剥取ナイフを含む種々の両面加工石器は、新石器化あるいは都市化といった人類史的にも大きな社会変化に歩を合わせるようにしてその用途や価値を変容させてきた石器でもある。こうした石器文化の技術的系譜について、エジプトから南レヴァントにまたがる広い枠組みでとらえることで、新石器時代から初期国家への人類社会の形成過程の理解につながると考える。
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