研究課題
若手研究
本研究課題では,フラーレン骨格に小分子を導入することで,(1) 内包分子と負電荷を帯びた炭素ケージとの相互作用,(2) C1対称ケージに包摂されたNO分子の磁気特性評価,(3) 水素結合をもつ単一水分子の動的挙動と酸・塩基特性評価,(4) 内包水素分子を用いたDiels Alder反応における開口C60誘導体の位置選択性評価,(5) 単一水分子を用いたOH/π相互作用の評価を行なった.
分子内または分子間に働くアトラクティブな相互作用は,分子の配向制御や物性制御を実現する上で重要な構造設計指針の1つであり,分野の垣根を越えた学理を支える大きな柱である.近年,さまざまな弱い相互作用の存在が明らかとなりつつあるが,分子レベルにおける詳細な理解は進んでおらず,理論化学研究に大きく依存している.本研究課題では,単一分子のみを隔離可能な炭素ケージを創出し,分子レベルでその相互作用を評価することができ,長らく議論されてきたOH/π相互作用の本質が水分子の配向で説明可能であることを見い出した.これは,水分子を用いた機能性材料開発における分子設計に新たな指針を与えるものと期待される.
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すべて 雑誌論文 (10件) (うち国際共著 1件、 査読あり 10件) 学会発表 (36件) (うち国際学会 5件)
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