研究課題
若手研究
ランビエ傍絞輪部でneurofascin 155(NF155)と結合するcontactin-1(CNTN1)に対する自己抗体が陽性となる慢性炎症性多発根ニューロパチー(CIDP)を同定した。同症例は興味深いことに膜性腎症を合併していた。またCIDP症例において髄液サイトカインの分析を行った結果、IgG4抗NF155抗体陽性CIDPの髄液中ではTh1サイトカインのみならず、Th2関連サイトカインも上昇していた。本邦の22例のIgG4抗NF155抗体陽性CIDP症例でHLA遺伝子解析を行い、同疾患では強いHLAクラスII拘束性が存在することを見出した。
抗CNTN1抗体陽性CIDPの存在は、蛋白間相互作用によりCIDPを発症するという仮説を支持するものである。今回同定した抗CNTN1抗体陽性CIDP症例は同時に膜性腎症を合併しており、CIDPおよび膜性腎症の発症機序の共通点を見出す上で非常に重要である。また、本研究を通してこれまでにない規模でIgG4抗NF155抗体陽性CIDPの免疫遺伝学的な背景を明らかにすることができた。Th2およびその関連サイトカインは今後、治療標的と成り得る。
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すべて 雑誌論文 (8件) (うち国際共著 1件、 査読あり 6件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (17件) (うち招待講演 5件)
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