研究課題
挑戦的研究(萌芽)
肝がんは年間約3万人が死亡する難治性がんである。HNF-4αは脂質や糖代謝、薬物代謝など肝細胞機能を制御するのみならず、細胞周期を制御するがん抑制遺伝子である。本研究では、分子標的薬や脂質がHNF4Aの遺伝子発現や活性化に与える影響について検討を行った。レゴラフェニブとHDAC阻害剤は細胞増殖を抑制しながらHNF4A遺伝子発現を活性化することが明らかになった。また、polyprenoic acidがHNF4Aを活性化させること、lauric acidがpolyprenoic acidに相加的にHNF-4αを活性化させる作用があることを見出した。
肝細胞がんにおいてHNF4Aは遺伝子変異を認めない転写因子であり、かつ活性化されることで細胞増殖を呈しさせる、薬物標的として有用な核内受容体と考えられる。しかしその制御機構や活性化リガンドは未だ十分明らかになっていない。本研究では新たなHNF4A遺伝子発現を活性化させる分子標的薬やHNF4A転写活性を制御する脂質を見出しており、新しい機序に基づく肝細胞がん治療への応用が期待される。
すべて 2020 2018
すべて 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (1件) (うち国際学会 1件)
Cellular and Molecular Gastroenterology and Hepatology
巻: 20 号: 2 ページ: 30039-4
10.1016/j.jcmgh.2020.02.009
Sci Rep.
巻: 8 号: 1 ページ: 13143-13143
10.1038/s41598-018-31421-6