研究課題/領域番号 |
19H01083
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研究種目 |
基盤研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
中区分58:社会医学、看護学およびその関連分野
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研究機関 | 国立研究開発法人国立がん研究センター |
研究代表者 |
松井 健志 国立研究開発法人国立がん研究センター, がん対策研究所, 部長 (60431764)
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研究分担者 |
井上 悠輔 東京大学, 医科学研究所, 准教授 (30378658)
高野 忠夫 東北大学, 大学病院, 特任教授 (40282058)
永水 裕子 桃山学院大学, 法学部, 教授 (50392501)
田代 志門 東北大学, 文学研究科, 准教授 (50548550)
山本 圭一郎 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, 臨床研究センター, 臨床研究統括部長 (50633591)
伊吹 友秀 東京理科大学, 教養教育研究院野田キャンパス教養部, 准教授 (70713014)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
44,590千円 (直接経費: 34,300千円、間接経費: 10,290千円)
2023年度: 7,020千円 (直接経費: 5,400千円、間接経費: 1,620千円)
2022年度: 9,620千円 (直接経費: 7,400千円、間接経費: 2,220千円)
2021年度: 9,620千円 (直接経費: 7,400千円、間接経費: 2,220千円)
2020年度: 9,620千円 (直接経費: 7,400千円、間接経費: 2,220千円)
2019年度: 8,710千円 (直接経費: 6,700千円、間接経費: 2,010千円)
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キーワード | 研究倫理 / 社会的弱者 / 生殖補助・周産期 / 臨床研究 / リスク評価 |
研究開始時の研究の概要 |
研究倫理の3原則を提示し、世界中の被験者保護ガイドラインに影響を与えたベルモント・レポート(BR)は、「社会的弱者」はより手厚い特別な保護と倫理的配慮を受けるべきであるとし、臨床研究の被験者から除外する傾向が強かった。しかし近年は、こうした社会的弱者を積極的に被験者として用いる臨床研究へと医療開発の焦点がシフトしている。この社会的潮流の中で、BRに基づく従来の研究倫理の枠組みは一種の機能不全に陥っているといえる。そこで本研究では、この現状に鑑み、社会的弱者を積極的に被験者として用いる時代の臨床研究に求められる、新たな研究倫理の倫理的・法的原理基盤および倫理審査の判断基準等について検討する。
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研究実績の概要 |
本研究の目的は、最近の世界的な医療研究開発・政策の焦点となりつつある小児希少性・難治性疾患や遺伝性疾患の患者など、これまでは「社会的弱者」とされ、保護の対象として臨床研究から外されてきた者、とりわけその中でも小児や「未生の存在」である胎児を中心に、これら社会的弱者を積極的に臨床研究の被験者として用いる時代に対応した、研究倫理の新たな倫理的・法的原理基盤および倫理審査の判断基準等について検討することにある。研究最終年度となる本年度は、この目的達成のために、特に胎児の問題を中心に検討を進めた。 胎児を対象とする臨床研究では、被験者保護を目的とする従来の研究倫理の枠組みの多くが適用困難であることが明らかとなった。その理由は、一つには、胎児は未生の存在であり、未だ「日常」を有さないことから、社会的弱者とされる被験者を保護するためのminimal riskの考え方が適用できないためであった。また、民法上も、胎児は出生しない限りは何らの権利も主張し得ないことから、胎児が胎児の段階で自らの生命保護や身体保護を訴える権利は存在せず、したがって、出生した「人」としての被験者と同等の保護を現状では期待することはできないこと、さらに、胎児との間に利益相反関係を有し得る妊婦が胎児の利益代弁者となることは困難であることが明らかとなった。そして、こうした様々な胎児特有の問題が解決されていない現状においては、母体である妊婦による胎児の研究参加についての同意の真正性についても倫理的疑念が残ることから、現在の研究倫理審査枠組み・手続きでは、胎児を対象とする研究の倫理的適切性を正しく判断することは困難であり、従って、本研究である程度明らかとなった胎児特有の倫理的課題を包摂するような、胎児を対象とする臨床研究に特化した研究倫理の枠組みを新たに構築する必要があると考えられた。
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現在までの達成度 (段落) |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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