研究課題/領域番号 |
19H01335
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分03050:考古学関連
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
松本 剛 山形大学, 人文社会科学部, 教授 (80788141)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
16,900千円 (直接経費: 13,000千円、間接経費: 3,900千円)
2023年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2020年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2019年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | シカン文化 / モチェ文化 / ワリ文化 / カハマルカ文化 / ワカ・ファチョ / ミドルホライズン / 複合社会 / 文化的折衷 / シカン遺跡 / シカン/ランバイェケ / モチェ / ワリ / 複雑社会 / 復興プロセス / シカン / ワカ・ファチョ遺跡 / 壁画 / 複合的社会の再建プロセス / LiDAR / セトルメントパターン研究 / 土器研究 / ランバイェケ複合 / シカン/ランバイェケ / サーニャ谷 / チムー |
研究開始時の研究の概要 |
ペルー南部高地の政体ワリが勢力を強めて領土を拡大していく中、ペルー北海岸では9世紀中頃にモチェが終焉を迎える。北海岸北部ではシカンと呼ばれる新しい政体が勃興し、10世紀中頃までに最盛期を迎える。しかしこの移行期は考古学データがきわめて乏しく、シカンの成長過程は依然として謎のままである。 本研究は広域踏査と層位発掘によってデータの空白期間を埋めると同時に、ある複合的社会が衰退・崩壊した後に、同一地域で再び社会的複雑さが増加し、新しい複合的社会が誕生するまでのプロセスを明らかにする。これまで個別に語られてきた二つの複合的社会の発生から衰退までの一連のサイクルを結びつけて説明できる理論の構築を目指す。
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研究成果の概要 |
ペルー北海岸は、モチェやシカン、チムーなど、アンデス文明史における名だたる複合社会が盛衰を繰り返した地域である。モチェの衰退の後、シカンが隆盛を迎えるまでにはデータの空白期間(後850~950年)がある。本研究ではこのデータの空白を埋めるべく、ペルー北海岸北部において広域踏査を実施するとともに、この時期に存在した数少ない遺跡の一つであるワカ・ファチョを発掘した。その結果、同時期に併存していたモチェやワリ、カハマルカなど、諸文化間の相互関係のなかで、それぞれの文化要素が融合し、新たな組み替えが行われたことにより、最終的にまったく新しい文化様式が生まれ、それがシカン文化となった可能性が見えてきた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、モチェからシカンへの移行期に焦点をあて、シカン発生の動態的プロセスを明らかにすることを目指した。広域踏査と層位発掘によってデータの空白期間を埋めると同時に、ある複合的社会が衰退・崩壊した後に、同一地域で再び社会的複雑さが増加し、新しい複合的社会が誕生するまでの動態的プロセスを明らかにすることに努めた。これにより、我々がこれまで行ってきたシカンの最盛期から衰退期までの研究と地続きになり、北海岸北部の歴史を1000年以上にわたって長期的に見通すことが可能となった。これまで個別に語られてきた二つの複合的社会の発生から衰退までの一連のサイクルを結びつけて説明できる。
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