研究課題/領域番号 |
19H02935
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分39010:遺伝育種科学関連
|
研究機関 | 神戸大学 (2020-2023) 福井県立大学 (2019) |
研究代表者 |
松岡 由浩 神戸大学, 農学研究科, 教授 (80264688)
|
研究分担者 |
岡田 萌子 新潟大学, 農学部, 助教 (20913289)
FAWCETT JEFFREY 国立研究開発法人理化学研究所, 数理創造プログラム, 上級研究員 (50727394)
宅野 将平 総合研究大学院大学, 先導科学研究科, 助教 (20547294)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
16,770千円 (直接経費: 12,900千円、間接経費: 3,870千円)
2023年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2022年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2021年度: 4,810千円 (直接経費: 3,700千円、間接経費: 1,110千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
|
キーワード | ヘテロシス固定 / 2n配偶子 / 単為生殖 / ヘテロシス / 雑種強勢 |
研究開始時の研究の概要 |
雑種作物は、生産性や病気・環境ストレスに対する抵抗性/耐性において、両親よりも優れた性質を示すことがあります。この現象は、雑種強勢と呼ばれます。食糧生産を巡る状況が厳しさを増す今日、「いかにして雑種強勢が世代を超えて維持される永久ハイブリッド品種を作るか」は育種科学の核心的課題です。本研究は、遺伝資源を利用して、永久ハイブリッド品種の作出に役立つ「クローン胚を形成するコムギ」を作出し、この現象に関係する遺伝子を同定することを目的として実施します。
|
研究成果の概要 |
本研究は、コムギ系統を交配し、アポミクシス形質を獲得してクローン胚を形成するコムギを作出し、この現象に関する遺伝子を同定することを目的として実施した。主な研究成果は次のとおり:(1)コムギ系統を交配することにより、単為生殖遺伝子と及び非還元配偶子形成QTLsを合わせもつコムギを作出した。(2)QTL解析により、非還元配偶子形成に関係する遺伝子座を検出した。(3)単為生殖するコムギ系統を用いて、単為発生が始まる段階以前の成熟した胚嚢の形態を観察することに成功した。(4)RNA-seq比較解析により、開花前後の時期において、109個の遺伝子が単為生殖するコムギ系統特異的に変動することを見出した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
食糧生産を巡る状況が厳しさを増す今日、気候変動や人口増加に対応できる生産性の高い作物品種が求められている。ヘテロシスを発現するF1品種は、高い生産性をもつ。アポミクシスは、クローン種子を形成することにより、F1雑種のヘテロシスを固定する。コムギでは、アポミクシスする系統は知られていないが、アポミクスシスの主要構成要素である「非還元配偶子形成」と「単為生殖」を個別に発現する系統は存在する。本研究の成果は、コムギ自身がもつアポミクシス形質を交配で組み合わせることでクローン胚形成を誘導できる可能性を示唆するものとして、学術的・社会的意義を有する。
|