研究課題/領域番号 |
19H04168
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分61030:知能情報学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
研究代表者 |
川村 隆浩 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 本部, 研究等管理役 (10426653)
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研究分担者 |
古崎 晃司 大阪電気通信大学, 情報通信工学部, 教授 (00362624)
江上 周作 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 研究員 (20846000)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
17,030千円 (直接経費: 13,100千円、間接経費: 3,930千円)
2023年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2021年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2020年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2019年度: 4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
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キーワード | ナレッジグラフ / 推論 / 機械学習 / 人工知能 / オントロジー / 解釈可能性 / 説明可能性 / セマンティックWeb / 論理推論 |
研究開始時の研究の概要 |
将来,AI応用システムは社会に広く普及すると期待されている.しかし,安全安心に社会の中でAIを活用するためには,システムが正しく動作しているかを確認しなければならない. 本研究では,システムが判断に至った理由を説明できるAI技術の開発を目指す.特に,帰納的な機械学習と演繹的な知識活用を融合したAI技術の開発に向け,(1)共通の評価セットとして,現実の社会問題や人間関係など複雑で構造的な関係性を含んだナレッジグラフを構築し,(2)オープンサイエンスの一手法としてナレッジグラフ群を公開し,幅広くAI技術者から推論・推定に関する手法を結集し,適切な指標を設計した上で,客観的な評価,分類,体系化を行う.
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研究実績の概要 |
本課題では、解釈可能なAIシステムの実現を目指して推理小説をナレッジグラフ化したデータセットを公開し、理由付きで犯人を推理することをタスクとして論理推論や機械学習による推定技術の深耕・体系化をオープンサイエンス形式で進めている。 4年度となるR4年度はコロナの影響で計画より一年開催が遅れたものの、2月に国際版ナレッジグラフ推論チャレンジ(技術コンテスト)としてThe 1st International Knowledge Graph Reasoning Challenge 2023を国際会議17th IEEE International Conference on Semantic Computing (ICSC)と併催でオンライン開催し、国内外から約50名の参加者を得た。例年同様にさまざまなアプローチが提案される中で、昨今の技術動向を踏まえたTransformerを用いた提案が最優秀賞を受賞した。 また、昨年11回目を迎えたナレッジグラフに関する国際会議International Joint Conference on Knowledge Graphs 2022 (IJCKG)や、2022年度人工知能学会全国大会にて論文発表を実施。人工知能学会全国大会優秀賞を受賞した。また、来年度のIJCKGは本課題の研究代表者がGeneral Chairを務め、東京・お台場にて開催予定である。 さらに、推理小説を離れて本技術の社会実装を進めるべく、高齢者の危険行動予知をタスクとした第1回産業版ナレッジグラフ推論チャレンジを開催した。ここでは、ナレッジグラフと同期したCG動画も合わせて公開し、動画の分析とナレッジグラフからの推論、推定の融合を図っており、より技術的な難易度と実問題との親和性が向上している。本チャレンジの詳細は最終年度の報告としたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
活動成果として、22年度には初の国際版ナレッジグラフ推論チャレンジを開催し、最終年度となる23年度には昨今の技術動向から生成AIを用いたチャレンジ等を企画している。 学術成果としては、国内では人工知能学会を中心に学会発表や論文発表をこれまで計12回実施し、国際的にもIJCKGなどにおいて4編の論文発表を実施している。 また、成果物としては構築したナレッジグラフは全てオープンデータとして公開しており、オープンサイエンスの推進に貢献している。
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今後の研究の推進方策 |
本課題は残り一年であるが、最終目標である社会課題を扱ったナレッジグラフの構築と実問題解決への応用に向けて、産総研人工知能研究センターにおけるNEDO3.0の活動とも連携し、高齢者の危険行動予知をタスクとして研究開発を進める。また、昨今の生成AI等の動向も踏まえて本課題後の研究の方向性についても検討を進める。
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