研究課題/領域番号 |
19K00794
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分02100:外国語教育関連
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研究機関 | 山口県立大学 |
研究代表者 |
林 ひょん情 山口県立大学, 国際文化学部, 教授 (30412290)
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研究分担者 |
淺尾 仁彦 国立研究開発法人情報通信研究機構, ユニバーサルコミュニケーション研究所データ駆動知能システム研究センター, 主任研究員 (10755119)
李 在鎬 早稲田大学, 国際学術院(日本語教育研究科), 教授 (20450695)
斉藤 信浩 九州大学, 留学生センター, 准教授 (20600125)
須賀井 義教 近畿大学, 総合社会学部, 准教授 (60454641)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 韓国語リーダビリティ / 読解学習支援システム / kReadability / CLIL / 「kReadability」 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、韓国語学習者が自分の語学レベルに応じて適切な学習用教材をアダプティブに利用できる韓国語読解教育のための学習支援システムの開発を行い、近年社会的ニーズが高まっているCLIL(内容言語統合型学習)を柱とする韓国語教育を飛躍的に進展させることを目指す。そのために、1) 韓国語に特化したリーダビリティ測定尺度の仕組みを考案し、2) 新聞、雑誌、webサイトなどの生教材の文章レベルを自動評価する韓国語文章難易度判定システムを開発する。そして3) web上の電子辞書や語彙学習システムに連動し、韓国語学習者の読解学習に特化した「アダプティブラーニング学習支援システム」を構築し、公開する。
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研究実績の概要 |
本研究は、韓国語学習者が自分の語学レベルに応じて適切な学習用教材をアダプティブに利用できる韓国語読解教育のための学習支援システム(Kreadability)の開発を行い、近年社会的ニーズが高まっているCLIL(内容言語統合型学習)を柱とする韓国語教育を飛躍的に進展させることを目的とする。 令和3年度は、令和2年度に引き続き、使用者のニーズを取り入れた使いやすいシステムを改善・改良しながら、kReadabilityシステム(http://asaokitan.net/kreadability)の検証結果を第88回朝鮮語教育学会にて報告した。検証の結果、リーダビリティスコアは検定試験で設定されている初級から高級までの各級に応じてスコアが上昇しており、各級の読解文章とリーダビリティスコアが適切な関係になっていることが分かった。そして新聞、白書、ウェブ演説文との比較においては、それらのテキストのリーダビリティスコアが、韓国語能力検定試験(TOPIK)は中級2.86から高級2.93の間に分布、ハングル能力検定試験は準2級2.25から2級2.86の間に分布していることを明らかにし、実際の韓国社会で使用される文章の難易度と検定試験の難易度の基準を示すことができた。以上のように,各検定試験の結果と,各韓国語のテキストとの比較の結果,妥当なリーダビリティスコアが得られ、kReadabilityのツールの測定精度も適切であることを示すことができた。本結果は、現在朝鮮学会に投稿中である(「kReadabilityを用いた韓国語検定試験の読解文章難易度比較」)。また、kReadabilityの広報活動の一環として、朝鮮語教育学会の第53回第二言語習得論分科会にて、オンラインによるkReadabilityワークショップを実施し、kReadabilityの理解や活用方法などについて意見交換を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本来なら本研究の最終年度にあたる令和3年度は、構築した「kReadability」システムの検証を行いながら、教育的な面での利用を含め、積極的な広報活動を行うことであった。システムの検証においては、各検定試験の結果と各韓国語のテキストとの比較を行った結果、妥当なリーダビリティスコアが得られたことから、kReadabilityのツールの測定精度が適切であることを示すことができた。しかしながら、コロナの影響に伴い、オンラインで実施したワークショップを通して多少の反響は得られたものの、対面でのデモンストレーションができず、広報活動はかなり制限されたものとなった。そのため、計画よりやや遅れがでていると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
今後の開発方針としては、語彙レベル別の単語帳などとリーダビリティ判定システムとを連携させることで、学習者の読解力スキル向上の支援を目指す。また、広報活動においても、「Kreadability」システムを利用した教育現場での活用方法として、教材開発、読解テスト作成などの実践に繋げていくとともに、その知見をシステム開発へフィードバックし、システムの改良を行っていきたいと考えている。
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