研究課題/領域番号 |
19K05034
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分26030:複合材料および界面関連
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
兼子 佳久 大阪市立大学, 大学院工学研究科, 教授 (40283098)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 電気めっき / 傾斜機能材料 / 合金 / 薄膜 / 強度 / electrodeposition / composition gradient / strength / nanostructured material / ナノ構造材料 / 傾斜組成材料 / 傾斜材料 / 多層膜 / 硬さ |
研究開始時の研究の概要 |
イオン化傾向の異なる2種類の金属イオンを含む電解液を用いた電気めっきでは,析出物の組成は試料に与える電位によってコントロールすることができる.本課題では,この性質を利用して,正と負の濃度勾配を有する傾斜組成層を交互に積層させた合金膜という新しい材料を開発を目指す.さらに,異なる濃度勾配や濃度振幅のめっき膜を準備し,最適化された強度をもつ傾斜組成めっき膜を得ることを目的とする.また,TEM法やSEM/EDS法,X線回折法などを用いた微視的構造分析などによってその強度発現メカニズムを検討する.
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研究成果の概要 |
種々の傾斜組成を導入したCo-Cu合金膜とNi-Cu合金膜を電気めっき法で作製し,それらの硬さを調査した。傾斜組成Co-Cu合金膜ではCo濃度が成長方向に沿って周期的に変動することを確認するとともに,そのビッカース硬さはCo-Cu均質合金膜やCo/Cu多層膜のそれよりも高い結果を得た。傾斜組成Ni-Cu合金膜の硬さは濃度振幅よりも濃度勾配に強く依存したのに対し,傾斜組成Co-Cu合金膜のそれは濃度振幅に依存する傾向が見られた。硬さ試験およびX線解析の結果から,傾斜組成Ni-CuおよびCo-Cu合金膜では,Misfit転位および内部応力に起因する強化機構がそれぞれ支配的であると推測された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
最近では,バルクナノメタル,長周期積層(LPSO)構造,ハイエントロピー合金など新しい強化原理を掲げた研究が盛んである。本課題の「周期的傾斜構造材料」も新しい強化原理を含んでおり,将来の新分野の種になり得ると期待している。ただし,その強化原理については不明な点が多く残されており,今後の学問的な課題と考えられる。本課題では高濃度勾配の傾斜組成をめっき膜に導入することで硬さが大幅に増加したことから,作業環境が問題となっている硬質クロムめっきを代替できるような構造制御技術になる可能性がある。
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