研究課題/領域番号 |
19K05519
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分34020:分析化学関連
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
鈴木 宏輔 群馬大学, 大学院理工学府, 准教授 (90580506)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | コンプトン散乱 / 高エネルギーX線 / 電極材料 / 電子状態 / ナトリウム二次電池 / リチウム二次電池 / イメージング / コンプトン散乱法 / 蓄電池 / 電極反応 / コンプトンプロファイル / ナトリウムイオン電池 / 金属間化合物 |
研究開始時の研究の概要 |
ナトリウム二次電池は、資源の偏在がないナトリウムが電荷担体となること、電極にコバルトなどの希少金属を使用しないことから大型蓄電池としての応用が期待されている。しかし、未だ本格的な実用化には至っておらず、最適な電極材料の探査が続いている。このような背景の下、反応下にある電極の電子状態の変化、すなわち電極の量子状態を計測する分析法の開発は、電子論に基づいた新たな電極材料の設計指針を与えうる。本研究は、コンプトン散乱法をナトリウムイオン二次電池の負極材料Na3Biに初めて適用し、電極の量子状態をセンシングする新たな分析手法の確立を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究の目的は、電極材料を対象とした高エネルギー放射光X線コンプトン散乱法による電子状態解析法の高度化と本手法のナトリウム二次電池電極材料Na3Biへの適用である。電子状態解析法の高度化として、リチウム過剰系正極材料LixTi0.4Mn0.4O2(x=0.4, 0.8)にコンプトン散乱法を適用し、本物質に特徴的な非結合の酸素2p軌道の運動量密度分布の可視化に成功した。さらに18650型リチウムイオン電池においてオペランドでリチウム反応分布の可視化に成功した。その後、本手法を金属間化合物Na3Biに適用し、Na量の増加に伴い電子状態が変化することを示唆するコンプトンプロファイルの変化を測定した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果の学術的意義や社会的意義は、高容量な電極材料の設計指針が得られることと、最適な実電池の設計指針が得られることである。本研究により明らかになったリチウム過剰系正極材料の電子状態から、遷移金属の3d軌道の変化、ならびに、酸化還元軌道の分布をディスクリプタとする電極材料設計指針になり得ると考えている。さらに本研究で得られたリチウム反応パターンの最適化により高性能なリチウムイオン実電池の開発が可能になると考えている。
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