研究課題/領域番号 |
19K05941
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分38060:応用分子細胞生物学関連
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研究機関 | 埼玉大学 |
研究代表者 |
石川 寿樹 埼玉大学, 理工学研究科, 准教授 (20598247)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | スフィンゴ脂質 / 糖脂質 / 糖鎖型 / 糖転移酵素 / 細胞死 / サリチル酸 / カルス / カルス形成 / 糖鎖 / 中性脂質 / 種子サイズ / 膜マイクロドメイン |
研究開始時の研究の概要 |
スフィンゴ脂質は生体膜を構成し、様々な膜機能に寄与する脂質分子である。その多くは特徴的な糖鎖構造を有しており、動物では生理学的、医学的に重要な機能が知られている。一方植物では、動物とは全く異なる固有の糖鎖構造が発達しているが、その生物学的意義はほとんどわかっていない。本研究では、植物のスフィンゴ脂質糖鎖を人為的に改変する独自の遺伝子工学技術を駆使し、植物型スフィンゴ脂質糖鎖が、どのような分子機序に基づいてどのような細胞機能に寄与しているのか、その実体に迫ることを目指す。
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研究成果の概要 |
植物固有のスフィンゴ糖脂質GIPCの糖鎖型固有の機能を明らかにすることを目的として、シロイヌナズナの主要GIPCであるH型糖鎖の機能解析を行った。H型糖鎖の欠損により生じる表現型は、1) サリチル酸の恒常的蓄積に起因する組織の枯死性と、2) サリチル酸非依存的かつN型糖鎖で相補できない成長不全に分類できることが明らかとなった。特に根では細胞レベルで特徴的な異常が生じており、今後の研究が期待される。またGIPC糖鎖を欠損しても細胞の脱分化およびカルス細胞の増殖は通常以上に可能であり、GIPC糖鎖型の機能や必須性は細胞タイプによって異なることが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
植物のGIPC糖鎖型は、動物のABO式血液型と類似しているがその生物学的意義はほとんど明らかになっていない。本研究の成果は、植物における糖脂質糖鎖型の分子機能の一端を明らかにし、根の成長への寄与やカルス細胞における非必須性など、今後の研究展開の実験モデル系となる重要な知見を提供する。またGIPCは、医薬品や健康食品、化粧品の有効成分であるヒト型セラミドの新たな供給源として応用面での期待も近年高まっている。カルス細胞のようにGIPC非必須な植物培養系の利活用により、植物で有用セラミドを生産する新奇技術の開発に繋がることが期待できる。
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