研究課題/領域番号 |
19K06256
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分41010:食料農業経済関連
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研究機関 | 鳥取大学 |
研究代表者 |
松田 敏信 鳥取大学, 農学部, 教授 (40301288)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 因果推論 / カップ麺需要 / 差の差分析 / 自然実験 / 大規模自然災害 / 平均因果効果 / 平行トレンド仮定 / ホームスキャンデータ / 需要システム / ビッグデータ / 凹性 / フレキシブル / 反復線形推定 / 自然災害 / 食料需要 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は,ビッグデータと自然実験に基づく因果推論を行うことで,自然災害が消費者の食料需要に与える影響を厳密に把握する.日本では外国に比べて自然災害が多く,近年は特に大規模な災害が増加している.食料需要分析の既存研究の大部分は,変数間の相関を構造推定したものか,アンケート調査に基づく表明選好法により影響を評価したものである.構造推定では因果関係の識別は難しく,表明選好法では仮想バイアスの危険性がある.本研究は消費者の実際の購買行動を記録した大標本のホームスキャンデータによる自然実験を行うことで,既存研究で把握できなかった自然災害と食料需要との厳密な因果関係を推定し,科学的根拠に基づく提言を行う.
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研究成果の概要 |
本研究は,ホームスキャンデータを用いて差の差分析による因果推論を実施し,大規模自然災害が保存性食品の需要に与えた影響を推定した.2016年に発生した熊本地震をカップ麺の需要増加をもたらす自然実験とみなし,アウトカムに影響する既知の要因をすべて調整するために重回帰モデルを通じて差の差分析を行った.分析の結果,地震発生と主な被災地の熊本県におけるカップ麺の需要との間に因果関係があること,熊本県における地震発生月の平均因果効果は地震発生翌月以降の平均因果効果より明らかに大きいこと,また地震発生翌月以降の全国的効果は,全期間にわたる減少トレンドにより半年余りで徐々に相殺されたことが明らかになった.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日本では元々,その位置,地形,地質,気象などの自然条件のため,地震,噴火,台風などによる自然災害の発生が海外に比べて多いことが知られている.さらに,近年は異常気象による大規模な風水害や土砂災害が多発している.自然災害の発生は人々の生活に直接的・間接的に影響するが,消費者の食料需要にはどのような影響を与えるのか.本研究は,熊本地震がカップ麺の需要に与えた影響を,自然実験による因果推論を用いて明らかにした.
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