研究課題/領域番号 |
19K06935
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分46030:神経機能学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター (2020-2022) 筑波大学 (2019) |
研究代表者 |
本庄 賢 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター, 研究所 認知症先進医療開発センター, 研究員 (50731866)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 痛覚 / 下行性抑制 / 侵害受容 / コレシストキニン / 神経ぺプチド / ショウジョウバエ / 疼痛 / CCK / DSK / 下行性制御 |
研究開始時の研究の概要 |
我々の痛みのメカニズムは未だによくわかっていない。多様なモデル動物の利点を生かした研究は、視覚や嗅覚など他の感覚の研究同様、痛みのメカニズム解明を進める上でも重要と考えられる。しかし、哺乳類以外の動物にヒトの痛み制御と共通のメカニズムが見られるかは未知である。私はこれまでの研究で、中枢性制御機構と呼ばれるヒトの痛み制御で中心的な役割を果たすメカニズムが、ショウジョウバエに存在する可能性を見出してきた。そこで本研究では、ショウジョウバエの優れた実験手法を駆使し、ショウジョウバエの中枢神経系における中枢性の侵害受容制御機構の存在検証を進めていく。
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研究成果の概要 |
ヒトの「痛み」という複雑な感覚の制御機構を解明していく上では、様々なモデル動物の利点を生かしたアプローチが必要と考えられる。しかし、ヒトや哺乳類で見られる中枢性の疼痛シグナル制御メカニズムが、非哺乳動物モデルでどれほど保存されているかはほとんど明らかになっていない。本研究はショウジョウバエ(Drosophila melanogaster)の優れた神経遺伝学的実験ツールを駆使した研究から、ショウジョウバエの脳に、ヒトを含む哺乳類の疼痛制御で重要な役割を果たす下行性侵害受容抑制のメカニズムの存在を見出すことに成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究はヒトや哺乳類で疼痛制御に重要な役割を果たす下行性侵害受容抑制のメカニズムを、史上初めて哺乳類以外の動物に発見したものである。昆虫であるショウジョウバエと哺乳類との間で下行性侵害受容抑制のメカニズムが分子レベルで保存されているという本研究で明らかとなった事実は、脳の下行性侵害受容抑制機能が脊椎動物と無脊椎動物の共通祖先で生じたという新しい仮説を提唱するものである。また本研究の成果は、ショウジョウバエなどの無脊椎動物が痛覚の中枢性制御の研究においてもモデルとして利用できる可能性を支持するものである。
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