研究課題/領域番号 |
19K07070
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47030:薬系衛生および生物化学関連
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研究機関 | 横浜薬科大学 |
研究代表者 |
浅井 将 横浜薬科大学, 薬学部, 講師 (90383223)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | ダウン症 / アルツハイマー病 / DYRK1A / ネプリライシン / 21番染色体 / ダウン症責任領域 / リン酸化 / プロテアーゼ / アミロイド分解酵素 |
研究開始時の研究の概要 |
2020年には65歳以上の認知症の有病者は600万人に達すると予想され、その半数以上はアルツハイマー病(AD)であると見積もられている。現在ADに対して臨床使用されている根本的治療薬は存在せず、一次原因物質であるアミロイドβペプチド(Aβ)の産生酵素に対する阻害剤の臨床試験は相次いで中止となっている。そこで視点を変え、早期からADを呈するダウン症 (DS) 者に着目し、DS者でトリソミーとなっている21番染色体に存在する遺伝子群とAβを分解する酵素の発現や活性の制御機構を分子レベルで解明すると共に、Aβを低下させるAD根治のための治療薬を開発する。
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研究実績の概要 |
21番染色体がトリソミーとなっているダウン症者は40代という早期からアルツハイマー病を発症し、脳内にアミロイドβペプチド(Aβ)が沈着する。ダウン症責任領域に存在する二重特異性チロシンリン酸化調節キナーゼ1A(dual-specificity tyrosine-(Y)-phosphorylation-regulated kinase 1A, DYRK1A)の過剰発現は、Aβの前駆体であるAPP(amyloid precursor protein)やAβを産生する酵素複合体構成因子のプレセニリンのリン酸化を介してAβ産生を亢進させ、Aβの主要分解酵素であるネプリライシンのリン酸化を介してAβ分解を抑制する。 DYRK1Aによるネプリライシンの活性制御機構を明らかにするために、細胞内領域のリン酸化を詳細に解析した。神経系株化細胞にDYRK1Aを過剰発現させリン酸化特異的抗体を用いたウェスタンブロット解析により、ネプリライシンの細胞内領域のリン酸化が亢進することがわかった。さらに、リコンビナントDYRK1Aとネプリライシンの細胞内領域の合成ペプチドを用いたin vitroキナーゼ解析により、スレオニンへの直接的なリン酸化が確認された。 本研究から、DYRK1Aはネプリライシンのスレオニンを直接リン酸化することにより、活性低下を導いていることが示唆された。 またDYRK1Aはアルツハイマー病に対して増悪因子であることから、その阻害剤は有用な治療薬となり得る。そこで、DYRK1A阻害剤のスクリーニングを行うためにAlphaLISAを利用した実験系と培養細胞を用いた実験系の確立を目指している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
所属研究室の変更やコロナ禍のため。
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今後の研究の推進方策 |
・DYRK1Aのノックダウンや薬理学阻害によるネプリライシン活性の解析 DYRK1AのsiRNAを用いたノックダウンや既存の阻害剤を用いた薬理的作用によってDYRK1Aのキナーゼ活性阻害位を行い、その際の培養上清中のAβ量をサンドイッチELISAで定量する。またAβ量とネプリライシン活性の相関を解析する。 ・DYRK1Aによるネプリライシンのリン酸化阻害化合物のスクリーニング リコンビナントDYRK1Aおよびネプリライシンの細胞内領域にビオチンを付加した合成ペプチドを用いたAlphaLISAによるDYRK1Aの阻害化合物のスクリーニング系を確立し、化合物ライブラリーから新規DYRK1A阻害剤のスクリーニングを行う。 スクリーニングでヒットした化合物処理による培養細胞系でのネプリライシンのリン酸化、活性、発現を解析し、既存の阻害剤と比較する。
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