研究課題/領域番号 |
19K07164
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分47060:医療薬学関連
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
横大路 智治 広島大学, 医系科学研究科(薬), 准教授 (70389120)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 食物アレルギー / 抗菌薬 / 腸内細菌 / 感作 / 消化管吸収 / 食物アレルゲン / アレルゲン感作 / 腸内細菌叢 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、腸内細菌叢の分布に変化をおよぼす薬剤の服用が食物抗原タンパク質の消化管透過性や抗原の感作に与える影響を分子・細胞レベルで明らかにすることを目的とする。近年、一部の腸内細菌が消化管上皮細胞間のタイトジャンクションの形態維持に関与していることが報告されている。しかし、腸内細菌叢の変動が食物抗原の吸収や感作にどの程度寄与するのかはわかっていない。本研究によって、腸内細菌叢の変動と食物抗原の吸収亢進の観点から食物アレルギーの症状誘発や感作を助長する要因が明らかにされれば、食物アレルギーの予防や新規治療法の開発に手がかりが得られるものと期待される。
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研究成果の概要 |
我が国における食物アレルギーの罹患率は増加傾向にある。近年、腸内細菌叢を形成する常在細菌種の構成比率の変化が、アレルギー疾患の発症に関連する可能性が疫学研究で明らかになりつつある。本研究では、抗菌薬による腸内細菌種の構成比率の変動が、食物アレルギーの発症に関与しているのかをラットモデルで解析した。飲水中にバンコマイシンまたは抗菌薬カクテル(バンコマイシン/アンピシリン/カナマイシン)を混合して投与した場合、一部腸内細菌叢の変動が確認された。一方、抗菌薬の投与は、ラットモデルにおける卵白アルブミンの感作を低下させることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の結果では、抗菌薬の服用による腸内細菌叢の変化とアレルギー疾患の増加との関連性を明確に示すことができなかった。一方で、抗菌薬の服用によりOVAの感作は減少傾向を示したことから、ラットモデルにおいて抗菌薬の服用により変動した細菌種を網羅的に解析することで、アレルギー疾患の予防に有用な知見が得られる可能性がある。抗菌薬の使用とアレルギー疾患の発症との関連性を明らかにすることで、食物アレルギーの予防や新規治療法の開発に手がかりが得られるものと期待される。
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