研究課題/領域番号 |
19K07383
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
審査区分 |
小区分49010:病態医化学関連
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
田中 直樹 信州大学, 学術研究院医学系, 教授 (80419374)
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研究分担者 |
長屋 匡信 信州大学, 学術研究院医学系(医学部附属病院), 准教授 (00718033)
中村 浩蔵 信州大学, 学術研究院農学系, 准教授 (20345763)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 食事中脂質 / トランス脂肪酸 / 肝癌 / 小胞体ストレス / βカテニン / c-Myc / 肝線維化 / 脂肪肝炎 / β-catenin / 腸内細菌 / メタボローム解析 / 機能性食品 |
研究開始時の研究の概要 |
トランス脂肪酸は日常生活で我々が頻繁に食する脂肪酸である。米国ではトランス脂肪酸摂取が禁止されているが、我が国ではトランス脂肪酸の健康被害に関する科学的根拠が乏しいとの理由で、その摂取に注意が払われていない。我々はトランス脂肪酸が肝癌を促進させる可能性を見出したが、そのメカニズムは不明である。本研究では、食事中トランス脂肪酸が肝臓に与える影響を多角的に解析し、その毒性を機能性食品で軽減する方法も探索する。トランス脂肪酸毒性に関する明確な科学的根拠とその予防戦略を提示できれば、国民の食生活の改善や健康寿命延伸、新規産業創出につなげられる可能性があると考えている。
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研究成果の概要 |
食事中のトランス脂肪酸と、肝臓病との関連は十分調べられていない。我々は、トランス脂肪酸置換餌・チオアセタミドをマウスに30週投与し、肝腫瘍が生じることを見出した。そのメカニズムとして、トランス脂肪酸食による肝臓での小胞体ストレスの増加、β-cateninの核内安定化、c-Mycの活性化、が考えられた。本研究を通して、トランス脂肪酸の多い食事が肝発癌に与える影響の一端を明らかにすることができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
トランス脂肪酸は虚血性心疾患との関連が長く取りざたされてきたが、癌や肝臓病との関連は十分調べられてこなかった。本研究を通して、トランス脂肪酸に富む食事は、チオアセタミドによる肝炎・小胞体ストレスを増大させ、肝発癌を促進させる可能性が示唆された。トランス脂肪酸摂取による肝臓への影響、特に肝発癌を促進させるメカニズムの一端が解明できたことは、肝臓病学の領域にとどまらず、社会的意義も大きいと考える。
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